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仕方なく服を着て3人の目が向けられる椅子に座った。
H「で?」
K「ん?」
H「誰にやられたんだって」
K「だから教えないって」
N「じゃあどっかで転んだの?」
それは流石に無いけど。
そんな嘘付いたってもう駄目だろ。
この3人は騙せない。
あー運悪すぎ。
T「もしかして……帰ってきてすぐ寝るのもそのせい?」
体が無意識にピクッと震えたのが自分でも分かった。
体があの恐怖をまだ覚えている。
何だよこれ。
H「体は勝手に反応したみたいだけど?」
K「……」
N「ちゃんと言わなきゃ分からねぇだろ!」
下を向いていた顔が驚きで前を向いてしまった。
だってNが…怒鳴ったんだよ?
それよりも、ヤバイ。顔バレたかも。
K「あの、皆、顔見てないよね」
T「あ、あぁ」
K「いいよ。嘘付くの下手すぎ。もう顔見せるから」
フードを取ろうとしたとき、その手が何者かによって押さえられた。
俺には力が無さすぎて抵抗が出来ない。
同じ男なのにぃー。
H「駄目だ。見せるのは…ルール、違反だ」
ルール。
俺が一番嫌いな言葉だって知ってるくせに。
N「ごめん…怒鳴ったりして」
K「いや…大丈夫だけど」
あーあ。気まずくなっちゃった。
T「お願いだから、話して」
それから話したのは
会長の存在。
俺の役割。
依頼を貰った後に受ける暴行のこと。
会長にだけは、顔を見せなければならないこと。
そして、
会長に逆らったら俺らが殺られること。
こんなとこかな。
T「ということは、Kはいつも」
K「そうだよ。3年前からずぅーっと」
N「気づかなくて、ごめん」
違う。そうじゃない。
K「俺が隠したかっただけ。皆は悪くないよ」
H「でも、会長のことだけでも伝えてほしかった」
K「それは…」
『ごめん』
たった一言なのに。
この単語を言えたことはまだ無い。
それを言おうとすれば、必ず涙が出てしまうから。
K「グズッ…ヒクッヒクッ…グズッ」
N「K?泣いてるの?」
俺はその瞬間、意識を失った。
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作者名:柊 | 作成日時:2017年9月18日 15時