4、* ページ16
あれから何をすることもなく何処かに消えていった彼奴ら。
まず第一の疑問。
グレーのパーカーじゃなかったこと。
盗むに来たわけではないと示したかったのか?
謎だ。彼奴らの頭の内がどうにも分からない。
第二の疑問。
マスコミではなく俺に、しかも直接伝えに来たこと。
裏があるような気がするのに不意打ちで思考が定まらない。
あぁ駄目だ。もう寝よう。
寝れば少し位新しい考えが浮かんでくると思った。
ピーンポーン
誰だよ。今から寝ようと思っていたのに。
外から騒がしい音がする。
「入るよー」
大貴だ。
「どうぞ」
「ねぇ、俺にこんなものが届いた。中を見たけど『また逢えることを楽しみにしております』って」
「それ、俺にも来た」
「でさ、グレー来た?」
「来、たよ?」
「何色だった?俺にはピンクと水色が来た」
「…緑と……黄色」
俺と大貴。
二人に何を伝えようとしていたのか分からなかった。
彼奴らの脳内には不可思議な思考の塊が入っている。
犯行の手口も身体能力も今までに無い事で誰も歯が立たない。
一種の強盗だ。
それなのに誰を巻き込むわけでも無く、誰にも見られずに盗み生活している。
謎だらけな彼奴らに、俺らはどう映っているのだろうか。
170人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:柊 | 作成日時:2017年9月18日 15時