1、転校生 ページ2
ねぇねぇ聞いた?
今日は転校生が来るそうだよ!
チョー楽しみ♪
「ねぇ、朝から騒がないで。ホントにうるさすぎ」
この子は知念侑李。
可愛い顔なのになー言葉遣いがね。
「いいじゃん知念。だって今日から俺ら高校生だぞ」
そう、今日から入学式!
ま、だらだらと校長の話を聞いてれば終わるよ。
今知念を嗜めていたのが山田涼介。
マジの方でイケメンですねー、はい。
「どうしたの?大ちゃん」
この優しさを俺にくれるのは岡本圭人。
正に英国紳士っすね。
ちなみに俺は有岡大貴!
今日からよろしくね!
「本当にうるさい」
「まぁまぁ」
「涼介は口出ししない!」
「大ちゃん、お願いだから声のトーン落として……」
「ほら、ゴリラもそう言ってるんだから」
朝から面白い口論を聞けたかと思えば、圭人をゴリラ扱い!
「圭人、ドンマイ」
涼介もそこはフォローしないんだね。
「いいよ、慣れてるから」
優しすぎて泣きそう。
知念、見習うんだ。
「(ニコッ大貴?心の声、全部漏れてるよ?」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
こうして俺の大事な大事な学園生活は始まった。
入学式終了!
やっと終わったぜ!
そして、転校生が来るはずなんですけどー、来ないね。
先生が何度も呼び出してるのに、廊下から教室に入ろうとしない。
「まぁ、名前だけ先に伝えるな。伊野尾慧だ。仲良くしてやってくれ」
名前を紹介されて初めて姿を見せた伊野尾は、青いフードを被った長身で細身の奴だった。
教室中がザワザワしてくる。
「ミステリアスでいいかもー!」
と言う女子だったり
「なんか、不気味なんだけど」
と怯える男子だったりと先生も静かにさせるのに必至みたい。
「ま、とりあえず、今日はこのクラスメイトの自己紹介をするだけだからな。早く終われば早く帰れるって訳だ。だから静まれー」
せんせーすげぇ。
それだけでクラス中静かにするとか神かよ。
「で、君はあの有岡の隣の窓側の席な」
はい。
静かな教室に響いた声は、特徴的な女のような声だった。
俺の隣にやって来た。
「よろしくな!」
元気に挨拶すれば、緊張感もほぐれるんじゃね?
「よ、よろしく」
「俺は、有岡大貴。大ちゃんって呼んで!」
「えっと、じゃあ俺は」
「伊野ちゃんは?」
すかさず前の席の知念からの提案。
「お、いいじゃん!伊野ちゃん!」
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作者名:柊 | 作成日時:2017年9月18日 15時