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純也side
『今まで我慢させちゃってごめんね』
電話越しのAの声が少し暗くなった
確かに沢山制限がある交際だった
手は繋ぎたいけど繋げない
何回も繋ぎかけて慌てて手を引っ込めた
キスなんて以ての外だ
恋人同士で行きたいような場所にも行けないから基本的にはお家デート
俺的には気にせずAにくっつけるから全然いいんだけど
だけど、Aは俺の彼女だっていうその事実さえあればそんな制限もなんてこと無かった
けど週刊誌に撮られたって聞いて柄にもなく嫉妬してしまった
だから公表しない?っていう提案がすごく嬉しかった
純也「じゃあ公表したら外で手繋いでカップルっぽい所行こうよ、前行きたがってたじゃん」
こういうけど、ほんとは俺がしたいだけ笑
それに、俺もAに言わないといけないことがある
『んふ笑純也がしたいだけでしょ?』
やっぱりバレバレだったか
けど俺がどこにいるかはバレてないな
『いいよ?いっぱいデートしよう』
Aのルンルンとした声を聞いて我慢できなくなってしまった
純也「ねぇ、A。
玄関開けて?」
『え?』
その声が聞こえてちょっと後に扉が開いた
純也「会いたくなって来ちゃった」
俺がそういうとAは俺に飛びついてきた
純也「ぅわ!笑」
ちょっとよろめきながらAを受け止めて頭を撫でた
上目遣いで俺を見つめるAが愛おしくてたまらなくなって思わず
チュッ
チュッチュッ
短いキスを何度も何度も重ねた
純也「今はこれで終わりね、後で続きしよ」
そういうとAは何を想像したのか顔を真っ赤にさせて俯いた
純也「あのさ、俺も相談したいことあるんだよね」
『どしたの?ココア作るからちょっとまってて』
そう言ってキッチンに消えて、5分後に2つのマグカップを持ってソファに座る俺の隣に腰掛けた
『はい、どうぞ』
Aが作るココアは他のどのココアより美味しい
そして何より落ち着く
だからココアを一口飲んで深呼吸してから口を開いた
純也「俺さ海外に移籍する話もらってるんだよね」
『そっか、、もう答えは決まってるんでしょ?』
やっぱりAにはなんでもお見通しだ
純也「うん、行こうと思ってる」
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作者名:ann | 作成日時:2024年2月17日 22時