オフ ページ25
Aside
純也とやっとオフが被ったのは11月1日のことだった
純也はもちろん試合で忙しいし、私も復帰後のお仕事のミーティングが詰め詰めでなかなか2人の予定が合わなかった
寂しかったけど彼女でもないからそんなこと言えないし
きっと寂しいって思ってるのは私だけなんだろうな
ピコン
お純もうすぐ着く
純也からこんなLINEが来てしまった
不意にドレッサーの鏡を見ると
『あ、やばい!!
メイクしてないっ!!』
さっきまでずっとミーティングの資料と睨めっこしてたから、
髪はテキトーにお団子にしてパーカーにショーパンで眼鏡っていうなんとも女子らしくない格好だ
ピンポーン
うわあ、、最悪
もうどうすることも出来ないわ
『はーい』
純也「よっ」
『13階だからねー』
なんて言ってオートロックを開けた
少しだけなんとかなんないかと思って、コンシーラーでクマを隠してリップを塗った
ちょっとはマシになったかなと思ってた時
ピンポーン
純也しかいないからインターフォンを確認しないで玄関を開けたら
ガチャ
純也「ちゃんと確認してから開けろよ」
って文句を言われちゃった
純也をソファに座らせて私は2人分の飲み物を準備する
純也「なぁ、ちゃんとユニフォーム飾ってくれてるんだな」
『当たり前じゃん』
好きな人からもらったユニフォームだもん、
飾るに決まってる
ココアが入ったマグカップを2つ机にのせて私もソファ座る
すると、純也が私の肩に頭をのせてきて、手を握った
あの日私が言ったように、派手に染めた髪が視界に入ってきた
『え、、どうした?』
急な純也の行動にドキドキが止まらない
純也「別に〜」
私のドキドキとは裏腹に純也はゆったりとした声で返事をして、私の手をニギニギしてきた
純也「ねぇ、A歌って」
この声色的になにかあったんだと思う
純也が私のことをなんでも分かってくれるように、私も純也のことはなんでも分かってるつもりだ
『じゃあ私のデビュー曲歌うよ』
純也「え、いいの?」
『いいよ、まだ確定じゃないけど明日のミーティングでスタッフさん達に聞かせてOKだったらこの曲になるの
まだ世界で誰も聴いたことないから、純也に初めて聴いてもらう』
私はさっきより明るい顔をした純也を横目にギターを準備した
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作者名:ann | 作成日時:2024年2月17日 22時