Poèmes d'amour (ページ18)

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Aside

いろんな歌を歌って気づけばもう夕方だった

純也｢なあ、海の近くいかね？｣

『行くいく！！』

ベンチから立ち上がって波打ち際まで行く

私と純也しかこの浜辺にはいない
ふたつしか無い影を見ながら幼い頃を思い出した

『そういえば、純也の話聞かせてよ』

純也｢俺の話？｣

『彼女とかいないの？笑』

純也｢いたらAと会ってないだろ笑｣

『えぇ〜けど、大学の時とか1人や２人いたんじゃないの？』

純也｢いたっちゃいたけど、私の事好きじゃないでしょって振られた｣

『好きじゃないのに付き合ってたの？！』

純也｢相手が今好きじゃなくても好きにさせるからとかしつこいから渋々承諾したのにそーやって振られたんだよ？信じらんねー｣

『うわぁー、さすがモテ男』

私の知らない純也な気がして少し寂しいような、
胸が苦しかった

最近ずっと純也に対しておかしいなー

純也｢Aだってイケメン俳優とかから言い寄られたりしたんじゃないの？｣

『連絡先聞かれたけどちゃんと断ってたしー』

純也｢さすがノースキャンダルアイドル｣

『馬鹿にしてんでしょ？笑』

『なんかさ、そーゆー人達ってアイドルと繋がってるってのを自慢したいだけなんだよ』

『だからアイドル伊藤Aじゃなくて、1人の人間として見てくれる人とじゃなきゃ連絡先は交換しない』

純也｢誰かと交換した？｣

『誰とも』

純也｢そんなんじゃ彼氏できないぞ｣

『別にいいしー！純也だって私にばっかり構ってたら彼女できないよ』

純也｢俺は、、いいんだよ｣

『もしや好きな人でもいるの？』

純也｢まあそんなとこ｣

『ふぅん』

胸がズキズキする。
もし純也に彼女ができたらこうやって2人で海に来ることもないんだろうな

いつかお互いのこと1番知ってるって自信持って言えなくなる日が来るのかな

そう考えると胸がキューっと締め付けられるような感じがした

純也｢そろそろ帰るか、いっぱい歌って泣いて疲れたろ｣

そう言って純也は私の手をひいて歩き出した

最後に手を繋いだのは小学生の頃だったかな

繋がれている純也のスラッとしているけど男らしいゴツゴツした大きな手が流れた年月の長さを教えてくれた