3話 ページ5
主人公side(6歳)(この時は普通に女の子です)
主「お姉ちゃん！」
私には1人の姉がいた
親は2人とも私が小さい時に他界していた
だから顔は見たことがなかった
いや
きっと赤ちゃんの時に見ていたのだろう
でも
覚えていない
姉は確か......
18歳だった
親がいない私にとって姉は唯一の家族で
大切な人だった
姉「A、そんなに走ると危ないよ」
いつもニコニコ笑ってて私はその笑顔が大好きだった
主「平気平気！！」
ドテッ
案の定私は石につまずき転んでしまった
主「ぅ......ぅ、うわぁぁぁぁん！」
小さい頃の私はすごく泣き虫でしょっちゅう泣いては姉を困らせた
姉「あぁあ、言わんこっちゃない」
マイペースに歩いてきた姉
ポンポン
姉「痛いの痛いの飛んで行け」
1度頭を撫でてから姉はいつもそう言ってくれた
痛いのが本当に飛んでいく訳では無い
でも、姉にこれをされると
痛いのが少しだけ飛んで言ったように感じる
それに姉に頭を撫でられると落ち着けた
それで私はいつも泣きやめた
姉「よいしょ
じゃあ帰ろうか」
必ず私が泣いた時は家までおんぶで帰ってくれる
姉の笑顔が大好きで、おんぶでは見えないことが嫌だった
でも
姉の背中はあったかくて
家に着くまでに
いつも寝てしまうんだ
まだ夏の暑さが残る秋の日
私は12歳になった
主「今日は暑いね」
姉「そうだね」
何枚か落ちている笹の葉の上を歩く
ここは竹やぶの中
私たちの家は人里離れた竹やぶの近くにある
太陽が西にある時は日陰で丁度いいのだが
太陽が東にある時はジメジメと暑苦しい
だから暇かあればこの竹やぶに入る
中は日陰でとても涼しい
それから
姉と喋りながら竹やぶの中を歩いていると
姉「あっ」
と、何かを思い出したのか立ち止まった
主「？、どうかした？」
姉の1歩前にいる私
少し後ろを向いてそうといかけた
姉「牧を切るための斧直してないかも」
主「あ」
確かにそう言われれば
直した時の記憶が無い
姉「今から家に戻って直してくるから
絶対にここに居てね」
主「えっ...うん！」
私もついて行きたい
でも
姉に言われたならここで待つしかない
タッタッタッ
走って家に戻る姉
久しぶりに姉の走る姿を見た
主「お姉ちゃん遅いなぁ」
あれから何時間たっただろう
太陽が西に動きもう日が暮れそうだ
こんなに遅いのはおかしい
と思い
タッタッタッ
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作者名：杏由利 | 作成日時：2018年4月3日 12時
