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ただ一振り ページ11
本丸を探索していると
突然、こんのすけが止まり
「審神者名様！すぐ門の方まで行きましょう!!」
俺に緊迫した顔でそう叫んだ。
「な、何があったんだ？」
「山姥切国広様が
重傷です…！
早く手入れをしないと折れてしまいます!!」
その言葉に頭が一瞬、真っ白になる。
俺はただ、前を走るこんのすけを追いかけ
門まで向かった。
その先には布を被っていてもわかる程
傷だらけの山姥切国広。
俺が怪我をしている訳じゃないのに
体が痛む。
山姥切国広の方が、もっと…
もっと痛いはずだ。
「頑張ったな。一緒に手入れ部屋まで行こうぜ。」
俺は、何を言っていいかわからず
ただ一言山姥切国広に言い
「これでいいさ。…ぼろぼろになっていれば
俺を比較する奴なんていなくなる。」
「俺の初期刀はお前一振りだけだってーの。」
「……物好き、め…。」
そんなやり取りをしながら
そして肩を貸しながら手入れ部屋まで歩いた。
・
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作者名：杏仁 | 作成日時：2018年2月9日 23時
