目が覚めたら恵ママになっていた件【伏黒甚爾】

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「服屋は……あ、近くにある」



エントランスで配られていたフロアガイドを見ながら歩き始める。



「甚爾くん、服それ以外持ってないの？」


「服？……あー、あんま興味ねえからな」


「確かに、そういうの無頓着そう」



でも、無地のスウェットでも、ガタイの良さと顔の良さで全然ダサく見えないんだよなあ。不思議。



「甚爾くんスーツとか着たらどう……ダメだ、ヤクザかホストの未来しか見えない」


「……オイ、お前な」


「あっ着いた」



危ない危ない。ちょっとキレてたな。店に入ると、店員さんがこちらを向く。



「こんにちは！いらっしゃいませ〜！」



会釈をし、店内を見渡す。店内にはTシャツがただただ並べられていた。成程、Tシャツや専門店ってやつか。そばにあったTシャツを手に取り、デザインを見る。


うそ……やだ、このTシャツ……



「…め、めっちゃオシャレ〜！！かわいい！カッコイイ！！」



見渡す限りセンスしかない！！『ポケ○ン、ケットばせーッ！』Tシャツ！？え、めっちゃ良いじゃん！これ流行るわ！！



「……ってあれ？これメンズ？」


「…そうらしいな」



後ろから甚爾くんが手元を覗いてくる。確かにデカいわ……残念。ん？待てよ？このサイズなら……。



「これ、甚爾くん着れるんじゃない？」


「……は？」



俺？と自分を指さす甚爾くん。私の手元のTシャツを凝視し後ずさる。



「嫌だ、こんなダセェのぜってえ着ねえから」


「店員さんの前でそういうこと言わないの！ほら、試着しよ？絶対似合うから！」



嫌がる甚爾くんを試着室に押し込み、Tシャツを手に取る。『てじな○にゃ』Tシャツも捨て難いし……。

とりあえず気になったの全部渡そう！




〜ここからは音声のみでお楽しみ下さい〜




「わっ、『犬を信じろ』Tシャツ良いなあ……！キリッとして似合ってる！」


「嘘だろ？？」


「これも良い！『5000兆円欲しい』Tシャツは甚爾くんのヒモ感が滲み出てて、凄く合ってる！」


「悪口じゃねえか」


「この『ﾁｮｯｹﾞﾌﾟﾙｨｨｨｨｨｨ！！！(裏声)』絵文字付きTシャツなんて、甚爾くんのギャンブル癖と浪費癖を表してて最高じゃん」


「悪かった、先月の生活費溶かしたのは本当に悪かった」

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