目が覚めたら恵ママになっていた件【伏黒甚爾】

4 ページ5

「はぁ…疲れた…」

「おつかれ〜」

「お疲れ様です…」


あの後、緊急手術が2回も入ったのと、この世界になれないこともあり、もう私はクタクタの雑巾みたいになっていた。ダッシュで電車に乗りこみ、チカチカと点滅する電灯に照らされる公園の横を通り過ぎようとすると、


「ま、待って!!」


と男の子の声が聞こえてきた。足元を見るとボールが転がってきている。

私は疲れて思考が鈍っていた。身体が重くて、頭もぼんやりしていて。なんでこんな夜中に子供が1人でボール遊びをしているか、不思議になど思わなくて。


「あ、これ？もう落としちゃだめ…



……ゥェ」


小走りで公園に入っていった次の瞬間、私の眼前に映ったのは両腕は捻れ、顔は5つあり、ギョロりとした目玉は1つ、2つ、3つ、4つ……もう数えたくない…。その化け物の口からはみ出ている少年の顔。

いや、転生したばっかでこの仕打ちは酷ないですか？？


「マ゛ッマ゛ァ」
「……いや私あなたのママじゃないからッ！あなたみたいな子産んだ覚えはありませんッ！」
「…ソ…ボォ…」
「…え？祖母？祖母って言った？」


コイツ祖母って言いやがった！！老けていると！？いやいやいや化け物の戯言など聞き流そう？

そんな中私の頭の中では、カンカンカーン！！さっさと逃げろや馬鹿もん！！死ぬで！！死んでええんかボゲェ！！

と警報が何故か関西弁で鳴り響いている。


「ア…ソボォ…ァソボォ…」
「あ……遊ぼう、ね。遊ぼう、だったじゃん！やっぱ老けてなかったじゃんか！！てめー騙したんか！！」


良い子のみんなーぁ！女の子にそんなこと絶対言っちゃダメだよお(はあと)

Q何故命の危機なのに、こんなに関係ないことを言っているのでしょうか？

Aまあ流石に私でも初めての命の危機じゃん？前世はどうやって死んだか覚えてないけどさ、私のことだから、多分過労死とかでしょ？
いやでもさ？今はさ？目の前にバケモンいるんだよ？

こんなん冷静になれるかっての！！！！！！！！

分かる！！？？私今ハイになってんだよ分かる！！！？？


⚠彼女はマジでハイになってます。気にしないでね。


「クッソ！転生して美人になってホワイトな人生送れるかと思ったのに！なんでやねん！頑張ったじゃん私！前世で頑張ったからこんな人生送れるようになったんじゃないの！？前世の働き…まさかあれで足りんって言うんか貴様は！

あーーーッふっざけんなッ！なんでアンタみたいな奴に殺されなきゃなんないの！？」

6→←4

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す