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「そしたらッ、「それを食べろ」って、言われて」
その言葉が、ずっと彼の呪いになってきたんだろう。顔も知らない傑くんの祖父に、苛立ちが募った。
「すごくまずくって、でも、おじいちゃんは食べろって、ひっく、そしたら、皆しあわせになれるって」
「……そっか…でもね傑くん。」
「……ッん、ふっ、ぅ」
私の方に視線を向けながら、しゃくり上げる傑くん。
「それは傑くんの意志を尊重してやって行くことだよ」
「え…?」
「それは傑くんがやりたいって思ったこと?」
「ッ、それで、皆がしあわせになれるなら、僕がやらなきゃ、って」
「そっか…傑くんは優しいね」
傑くんのサラサラの黒髪を撫でる。自分を犠牲にして、大勢を取れる子なんだよね。
「でも傑くん。」
「ッ、なんですか」
「皆を幸せにするためには、まずは傑くんが幸せにならなくちゃ」
「なんで僕が…?」
「皆の幸せのために傑くん1人が犠牲になる必要は無いんだよ?」
「は……?」
細い目を見開いて口をポカンとあける傑くん
「で、でも、皆の幸せの方が、僕1人の幸せよりも」
「いい?傑くん。幸せに絶対の比率なんてないんだよ?」
「比率?」
「ふふ。例えば知らない人の100人分の幸せと
大好きな人1人分の幸せ。どっちの方が欲しい?」
「……」
「ちょっぴり難しかったね。でも、大好きな人の幸せの方が欲しいなって思わない?」
「……うん」
「別に傑くんの考えを変えるつもりは無いよ。
私にとっては知らない人100人分より、傑くん1人の幸せの方が欲しいけど、その知らない人を大切に思う人したら違う選択をとるよね」
「…どういうこと、ですか」
「人にとって幸せの大きさは違うんだよ、って。あなたの幸せは、傑くんを大切に思ってる人の幸せなんだよ、ってこと。分かった?」
「……分かりました」
「そっかー、傑くんは頭がいいね。羨ましいな」
「別に、Aさんも頭いいほうだと思いますよ」
「え、本当!嬉し」
「あ゛〜〜〜やっと終わ……」
傑くんが頬を赤らめて褒めてくれるので、ホンワカした気持ちになっていると、そう、夏油が降臨した。
「は?」
「ひ?」
「な……何やってんだロリコン!!!」
「まって夏油誤解だからーーーーブハッ」
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栗まんじゅう愛してる(プロフ) - お松さん» 見つけてくださってありがとうございます🥹🥹頑張ります🔥💪🏻 (11月25日 18時) (レス) id: ceba318f19 (このIDを非表示/違反報告)
お松 - 初めてこれ読むけど、すごい面白いです!更新頑張ってください!!😘 (11月25日 16時) (レス) @page26 id: f0ee455632 (このIDを非表示/違反報告)
栗まんじゅう愛してる(プロフ) - すんさん» 規模デカすぎて笑います…🤣更新頑張りますね!! (11月13日 19時) (レス) @page50 id: ceba318f19 (このIDを非表示/違反報告)
すん - 終始穏やかじゃなかったです心中。常に叫んでました。神作品をありがとうございます更新頑張ってください…!!数億年なら待てます (11月13日 18時) (レス) @page50 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
栗まんじゅう愛してる(プロフ) - Yunaさん» ありがとうございます!やったー!更新頑張ります!! (9月21日 15時) (レス) id: 184391ef54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:栗まんじゅう愛してる | 作成日時:2021年3月9日 21時