目が覚めたら恵ママになっていた件【伏黒甚爾】

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「くっそぅ…あいつ最後までニヤニヤしながら弁当プラプラさせてたな…」


ぽかぽかの動物病院(楽園)とは打って変わって素肌を出したら凍りそうな下界に()出てきた私である。あ、車スリップした。どんまい。スノータイヤに変えてなかった君が悪い。


「私はあの楽園へさっさと帰りたいのだ…」


そんなことをブツブツ言っていたらタバコ吸ってたおっさんにちょっと引かれた。
両開きのロー〇ンドアーを開けると暖かい空気が凍えた体を包む。うわコンビニも楽園や。


「あー、何にしよっかなー」


蕎麦とうどんで五分くらい悩んだが、結局ラーメンにしました。飲み物はホットコーヒー。
いや水筒あるけどね！？たまにカッコつけたくなるじゃん？？飲めないけど。


「298円でーす」

「200……あ、5円なかった」


うわ、お釣りなしを目指してたのに…。ちょっと残念に思いながらも、ラーメンに気分を上げて歩く。


「ありゃしたー」


え、あの5文字の中に「ありがとうございました」って言ってるの？？最近のコンビニ定員すごいな(偏見の塊)



「わ、間違えてブラック買っちゃったよ」


ただでさえコーヒー苦手なのに。なんで買ったんだろ。溜息をつきながら扉を開ける






その時私は思い出した…

ヤツらに支配されていた恐怖を…

鳥籠の中に囚われていた屈辱を…


「いやさっ」


さっむい！！冷気やばかったんだけど！！なにあそこエ〇サでもいるの！！？？


それにさっきのおっさんちょっとツボってるし！！
「ぶっ、いやさって…ぶふっ」ってさっきから同じこと言ってるよ！！



確かにお祭りの掛け声みたいになってたのは認めるけども！！私あれでも我慢したんだからね！？


「…ううーー……さっさと帰ろ」

「お、Aじゃねえか」

「んんん??って甚爾くんじゃん…」


見るからに薄そうなジャケットを羽織った甚爾くんが、手を挙げて近づいてくる。


「よぉ」

「え、なんでここに？」

「仕事の途中だ。てかお前はなんでコンビニいんだよ」

「ぐっ…家にお弁当忘れたの…」

「はっ、マジかよ。作ってきたのに忘れたのか」



く、言い返せない…。というか周りの女子たちが


「え、あの人めっちゃイケメンじゃん」
「あの横の人彼女？」
「無い無い。妹とかでしょ」


そう。この国宝級イケメンに反応してきてるんですよね！！てかなんで君、無いって言いきれんだよ！！そういうのは聞こえないところで言うもんです！

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