目が覚めたら恵ママになっていた件【伏黒甚爾】

3 ページ3

次に目が覚めた時には、光が差し込んでいた窓からは、暗い住宅街と光る月しか見えなくなっていた。


「すっごい……こんなに寝たのいつぶりだろ」


感動しながらベットから起き、部屋を見渡す。

この部屋はごく普通の(ちょっぴりボロい)部屋だが、物は綺麗に置いてあって、部屋の感じを生かしたコーディネートがしてある。
芳香剤の匂いだろう。ほんのり……あれだ。なんだっけ……そうだ。桜の花のような匂いがする。

それが温かみのあるこの部屋と合っていて、センス良いなと感じざるを得ない。でもこれが自分の部屋なのかと思うと、少し気持ち悪かった。

何分かぽけーっと外を眺めていると、前世の、社畜の性だろう。どうしても身体が上司から連絡きてないかなどを気にしてしまう。


「うぅ…」


眠る前はあまりの衝撃に気が付かなかったが、枕元にガラケーがあったので、パッと取ってチラリとメールの画面を覗く。

From：○○

Sud：大丈夫？？

先輩Aちゃーん!どうかしたの?体調不良?意識あるー?大丈夫だったら後日連絡頼むね!

メールが入っていた。


「…………………………………」


一瞬で状況を理解した私は、膝から崩れ落ちた。

お肌もちもちだったし！！学生とかかなって思ったんだもん！良いかなって！！学生だったら後で連絡すればいいかなって！！





ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ッやっぱ仕事あるんかいッ!!





(仕事恐怖症になっている私。)

4→←2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す