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翌日、
避難所の外へ出ました。
家、車何もかもが飲み込まれ、
泥だらけになって、
変わり果てた姿になっていました。
*
しっかり食事はとりました。
母の《ご飯ちゃんと食べなきゃ力つかないよ》
という言葉を思い浮かべて。
芸能人が炊き出しにきたり、
ボランティアの方が来たりしました。
様々な避難所を探しました。
でも見つからない、
もう駄目なのかな…とも思ってしまいました。
「奈央!」
姉の声がしました。
「お姉ちゃん!」
「よかった、生きてて……」
姉は泣いていました。
「お母さんは、お父さんは?」
「……」
姉は黙り込みました。
「お母さん、地震のせいで、足痛めちゃったの。
そしたらお父さんが、
お母さんをおぶっていくから、先に逃げろって言ったの。
奈央は生きてる、絶対ってお母さん言ったの。
もう家には水が入ってきて……
急いで……ここに来たの。
生きていたら、ここに集合って…」
姉は声をあげて泣きました。
「でも……もう駄目かも……」
姉は絶望した顔で私を見ました。
「家に帰ろう!」
「え……?」
「まだ生きてるかもしれない。
屋根の上にいるかもしれない。
諦めちゃ駄目!お姉ちゃん!」
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作者名:りんな@音速のみかさ | 作者ホームページ:http
作成日時:2020年3月11日 9時