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虚「、、、何、言って、、、
貴方と私と、2人で、、、」
がしゃんと湯呑みの割れる音がなり
湯が零れる。
A「、、、虚
落ち着いて聞いてくれ」
何か決心したように
少し俯く。
そして顔を上げたその顔は
A「私は死ぬはずだった。
それをねじ曲げたのに拒否をした。
きっと何も出来なくなる。
暫く前から目が見えない
だから、
だから、2人で幸せになって欲しい」
Aの満面の笑顔を見られたというのに
どうして
どうして貴方の瞳が私を捉えてくれない、?
虚「いやです、
いやですよ、、、こんなの酷いです
貴方がいないと私、、、」
Aは私の手を掴み
少し強く握った。
A「虚
何もいなくなる訳じゃない。
私が死ぬ訳でもない。
抜け殻になるだけ、
子供の面倒が見れないだけ、」
頭が回らない。
私はこれからどうしてゆけば良いのでしょうか。
何も、わからない、、、
虚「、、、?、??」
Aは探るように手を滑らせ
頬に手を添える。
A「、、、、、、、、
あいしてる、」
その一言に
ただ目が覚めた。
このままAを失いたくない。
失いたくないから、、、
虚「私もです
だから、
どうか私を許して下さいね」
最後に彼女と深い口付けを交し
その余韻を味わった。
ーーー
さいごまで
いや、最期まで自分がわからなかった。
何で私があいつを選んだのかも。
何で私が存在するのかも。
、、、ここは何処だろう。
脳が溶けそうなくらい心地いい。
手を伸ばして、憂鬱になる。
死んだのだろうか。
こんなに呆気なく、?
そう言えば虚にはちゃんと伝えられたっけ、?
ふわふわとした空間が指の隙間を通り
すかすかと通り過ぎる。
A「、、、、、、、、
あいしてる、」
誰に言うでもなく呟いた。
はず、だった。
その時ぼんやりと返ってきた声が
届くはずもない私の耳に響いた。
そして、すぐに目が冴えた。
ああ、
何で、こんなに早く諦めたのだろう。
なんでもう少し頑張ろうと思えなかったのだろう。
なんで、
いつの間にあいつの事をこんなにも、、、、
その時ふわりと身体が浮いた気がした。
温かさが身体中に拡がって
浸透する。
出来ることなら
私はあいつと、、、
A「もう一度だけ、、、
お前に出逢いたい」
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作者名:ありやけさん | 作成日時:2021年1月20日 23時