act.58 ページ8
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どうしようかと悩んでいるうちに、画面が切り変わる。
「え、ちょっとチアどうしよう…電話かかって来ちゃったよ…」
手の中で震える携帯。
振動の犯人は、もちろんユンギである。
「あ！」
躊躇していると、長く伸びた人差し指が画面をスライド。
こちらの犯人は、もちろんチアである。
「も、もしもし…」
YG「"A腹減ってんの？"」
「そうじゃなくて、チアが…」
YG「"チア？懐かしい。まだ仲いいんだ？笑"」
電話越しに笑うユンギ。
電話だと少しだけ声が低くなる。
これもあの頃と変わらない。
CA「ユンギー！生きてたの！？笑」
チアが大きな声でわたしに近づいて言うから、電話の向こうのユンギに聞こえたみたい。
YG「"おかげさまで。笑"」
またケラケラと笑うユンギ。
わたしも、正直生きてるとは思わなかった。
もしも生きていたとしても、わたしたちが生きている間にまた逢えるとは、思っていなかった。
チアもケラケラと笑いながら、わたしから離れてグラスに口を付けている。
「…今、チアとご飯食べてて…だからお腹すいてるとかじゃないの…」
チアに背を向けながら電話に集中。
YG「"そうなんだ。あ、A明日って空いてる？"」
「明日？」
YG「"ん。夜。2人で飯でも行かね？"」
「ご飯？」
YG「"あー…もしも都合が悪ければ、Aが都合のいい日教えて。"」
「…い、いいよ。明日で…」
YG「"まじ？ほんとは今すぐにでも逢いたいんだけど、ちょっと今立て込んでて。"」
ユンギの言葉に、顔に熱が集まる。
今すぐにでもってリップサービスだよね…？
YG「"あんまり飲み過ぎんなよ。じゃ、また明日仕事終わったら連絡して。"」
「…、うん。わかった…じゃあ、明日。」
ユンギが電話を切ったのを確認して、わたしも耳から携帯を離した。
「わぁ！びっくりした！」
チアに背中をむけていた体勢を元に戻したら、にんまり顔のチアがいて驚いた。
CA「明日デートすんの？」
「デートじゃないもん…ご飯食べるだけ…」
CA「それを世の中ではデートっていうんじゃないの？笑」
「まぁ頑張って。」って言いながらまたばしばしと背中を叩かれた。
チアに少しだけ感謝したことは内緒にしておこう。
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まりぶ〜(プロフ) - コメント失礼します！ほんとに、今読んでいる作品の中で1番好きです！このご時世いろいろ、あると思いますが、頑張ってください！これからも作品楽しみにしています！ファイティン！ (2020年5月4日 2時) (
レス) id: 035bd86621 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Y | 作成日時：2019年4月21日 0時
