95 こんなん ページ48
『よいしょ』
すっかり乾いた上着を着込むと、Aはハンガーをクローゼットへ戻した。ナミに「あったかくしろ」と指示を受けたからには、きちんと着込まないといけない。ズボンを履いて、コートの前を閉めて。そこまでした時、Aはハッとある事実に気づく。
『…ブーツと、てぶくろない』
二つとも、この城まで登ってくる途中で脱ぎ捨ててしまっていたようだ。このままではあったかくできない、とAは慌ててクローゼットの中を漁る。ブーツも手袋もあるにはあるが、小さな体に合うようなサイズのものは無かった。しょん、と肩を落として、Aは部屋を後にする。ナミの指示に従えなかったのは悲しいが、ないものは仕方ないだろう。
『あ』
パタパタと廊下を走っていれば、入り口へ続く階段を見つけた。その途中に、ルフィ達2人組がいる。ルフィはこちらを見つけると、大きく手を振った。
ﾙﾌｨ「お、A！」
ｻﾝ「どうかしたのか？」
手を振りかえして、Aは2人の元へ駆け寄る。
『かば男、きてる！』
ｻﾝ「ハァ？？」
意味がわからない、とサンジは眉をひそめた。それとは対照的に、ルフィは「あ！」と目を見開く。
ﾙﾌｨ「カバ男って、こんなんか！」
口の両端を思い切り伸ばして、嫌味っぽい半目。良く似た顔真似に、Aはうんうんと頷いた。あいつか〜、と怒りをあらわにするルフィ達に、サンジは呆れたように2人を見比べるだけだ。
ﾙﾌｨ「行こう！」
一気に階段を滑るように降りるルフィに続いて、Aとサンジも駆け降りる。鼻腔の中を冷たい空気が通り抜けて、雪の白がだんだん鮮明になってきた。もうすぐ出口だ。
ﾙﾌｨ「あ！あいつ…！！」
扉の所まで走って、ルフィは突然スピードを上げた。おい、と制止するサンジの声を振り切って、雄叫びを上げながら彼は手を後ろへ伸ばす。
ﾙﾌｨ「お前らァ！！さっきはよくもやってくれたな！！」
勢いに流されて、麦わら帽子が後方へ飛ぶ。一際大きく風が吹いて、帽子はAの顔面にびたっと着地した。
『むぐ』
ﾙﾌｨ「ゴムゴムのォ！！」
足を止めて、帽子を両手に取る。晴れた視界の先で、ルフィは毛皮を身に纏った男…ワポルの元へ飛び込んでいた。
ﾙﾌｨ「ブレッ…！！」
ﾜﾎﾟ「！！？は───っ！？」
悲鳴と共に、ルフィの拳がワポルの顔面に突き刺さった。
ﾙﾌｨ「っっっトォオ！！！」
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あーね(プロフ) - お待たせしました続編制作致しました…！次の話でもよろしくお願いします！ (12月30日 23時) (
レス) id: a59d493da5 (このIDを非表示/違反報告)
あーね(プロフ) - 初心者です！さん» コメントありがとうございます！更新遅くなっちゃってごめんなさい（ ; ; ）頑張ります！！ (11月26日 16時) (レス) id: a59d493da5 (このIDを非表示/違反報告)
初心者です！ - 更新頑張ってください！＆更新お疲れ様です。 (11月26日 16時) (レス) @page39 id: 4136f150ea (このIDを非表示/違反報告)
あーね(プロフ) - 蘆花さん» コメントありがとうございます！宝石の国要素は今んとこマジで要素でしかないのでもっと見せていけたらいいな…更新頑張ります！ (11月8日 20時) (レス) id: a59d493da5 (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - んー可愛い！宝石の国要素マジで好きです！…もし砕けてしまったら記憶とか…なくなっちゃうんでしょうかね。クッ…見たい…。更新応援しています！ (11月8日 19時) (レス) @page28 id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あーね | 作成日時：2023年9月21日 22時
