91 あんたも来る？ ページ44
『食べるだめぇ…』
悲しい顔をしたAが残響へ向かって手を伸ばす。料理はいいから大人しくしてて欲しいわ、とナミは呆れたように呟いた。人が減ると、一気に部屋が寒くなった気がする。扉から吹き込む風に身をすくめると、ナミは一つ首を傾げた。
ﾅﾐ「雪…？お城の中のはずなのに」
キンと冷えた空気に、雪が混じっている。部屋の中は暖炉のおかげで暖かいのに、廊下は城の外のように白く雪が積もっていた。しめてくる、とAがベッドを降りれば、扉の影から声がかけられた。
ﾁｮ「寝てろよちゃんと！」
『あ、もふもふ』
チョッパーだ、と訂正しながら、彼はきょろきょろとあたりを見回す。流石はトナカイ、健脚の彼らをまいてきたらしい。
ﾁｮ「お前のケガ、ちゃんと治療できてるわけじゃねェし…！体力も相当消耗してるんだぞ！それに、そっちのお前も熱あるんだから」
ﾅﾐ「ないわよ、もうほとんど引いたみたい」
ﾁｮ「それでもだめだ！ちゃんとまだ抗生剤打って安静にしてなきゃ」
念入りに捕食者達がいないか確認してから、部屋の扉を閉める。その後ろ姿に、ナミは「ありがとう」と礼の言葉を投げかけた。
ﾁｮ「ん？」
ﾅﾐ「あんたが看病してくれてたんでしょ？」
『もふも…チョッパー、医者なの？』
ﾅﾐ「そうみたいよ」
『すごい！』
ぱちぱちと手を叩けば、チョッパーは困惑したように固まる。じっとナミとAの顔を見比べると、チョッパーは「うるせェなっ！」と叫んだ。
ﾁｮ「に…人間なんかにお礼を言われる筋合いはねェ！ふざけんな！コノヤローが！」
語気は強い。が、ニコニコうきうきと溢れ出る雰囲気は喜びを抑えきれていなかった。感情を隠せないタイプなのだろう、小躍りまでする彼にAは真似をして楽しそうに体を揺らした。踊り終わると、チョッパーは少し警戒を解いたのかそろりとこちらに近づく。
ﾁｮ「…お前ら海賊なのか…！！」
ﾅﾐ「ええ」
ﾁｮ「ほ…本物か？」
『うん』
ﾁｮ「ド…ドクロの旗を持ってるのか…！？
ﾅﾐ「船についてるわ…海賊に興味あるの？」
何気なく問うたナミに、チョッパーは「ねェよバカ！」と全力で否定しながら後ずさる。ゴン！！と勢いよく頭をぶつけ、棚からどさどさと本が落下してきた。あああ、とわたわた手を振るAの隣で、ナミはオーバーリアクションに呆れたように謝罪する。
ﾅﾐ「でもじゃあ…あんたも来る？」
続く言葉に、悲鳴のような驚愕の声が重なった。
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あーね(プロフ) - お待たせしました続編制作致しました…！次の話でもよろしくお願いします！ (12月30日 23時) (
レス) id: a59d493da5 (このIDを非表示/違反報告)
あーね(プロフ) - 初心者です！さん» コメントありがとうございます！更新遅くなっちゃってごめんなさい（ ; ; ）頑張ります！！ (11月26日 16時) (レス) id: a59d493da5 (このIDを非表示/違反報告)
初心者です！ - 更新頑張ってください！＆更新お疲れ様です。 (11月26日 16時) (レス) @page39 id: 4136f150ea (このIDを非表示/違反報告)
あーね(プロフ) - 蘆花さん» コメントありがとうございます！宝石の国要素は今んとこマジで要素でしかないのでもっと見せていけたらいいな…更新頑張ります！ (11月8日 20時) (レス) id: a59d493da5 (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - んー可愛い！宝石の国要素マジで好きです！…もし砕けてしまったら記憶とか…なくなっちゃうんでしょうかね。クッ…見たい…。更新応援しています！ (11月8日 19時) (レス) @page28 id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あーね | 作成日時：2023年9月21日 22時
