87 もふもふ ページ40
けがをしたときは、「
『む』
どたどたと騒がしい足音に、Aは齧り付くように読んでいた本から顔を上げた。じっと耳をすませば、足音はこちらへ近づいてくる。本を傍らに置いてベッドから立ち上がれば、勢いよく部屋の扉が開けられた。
「う！！」
子供のような高い声が部屋に響く。Aはぽかん、と声の主を見つめた。
もこもこの毛皮に、鹿のような立派な角を生やしたピンク色の帽子。くりっと丸い目は怯えたような表情で、こちらを見つめるそのぬいぐるみのような生き物は。
『かわいい…っ！』
Aの好みに、深く刺さったらしかった。
「うわーっ！？なんだお前っ！！」
『わ、もふもふ…！』
悲鳴を上げる生き物にお構いなしで、Aはぺたぺたと遠慮なく毛並みを触る。この手触りは、もしかしたらカルーを超えるかもしれない。生き物の方も怪我人に強く出れないのか、困惑しつつもされるがままだ。
「や、やめろ！」
弱々しく生き物が声を上げる。むー、と不満を表情に出せば、開け放たれた入り口から人影が２つ踊り出た。
ﾙﾌｨ「どこだ〜っ！」
ｻﾝ「この部屋に入ってったはずだ！」
ルフィにサンジだ。勢い余って本棚に突っ込む彼らに、Aは「あ！」と目を輝かせた。2人とも全身包帯でぐるぐる巻きだが、命に別状はなさそう…どころか元気満々だ。本の雪崩をどかせば、麦わら帽子が元気よく飛び出してきた。
ﾙﾌｨ「あ！！Aっ！」
『ルフィ、サンジ、大丈夫？』
ｻﾝ「お前こそ、もう怪我はいいのか！？」
うん、と頷けば、ほっとしたように2人は笑った。ルフィから聞いたぜ、とサンジはAの頭を撫でる。
ｻﾝ「動けなくなったおれを運んでくれたんだろ。ありがとうな」
『んー』
満更でもない表情で胸を張れば、いつの間に腕から抜け出したのかもふもふの生き物が扉から走り出た。ああっ、と落胆の悲鳴が重なる。
ﾙﾌｨ「待てェ！肉〜！！」
…にく？
どたどたと再び走り出す2人の背中を、Aは呆然と見つめる。
にく、食べる物。もふもふのやつ、にく。
ルフィ、もふもふ食べる！？
脳内で最悪の方程式が出来上がる。慌ててAは2人の消えた後を追いかけた。
『だ…だめーっ！』
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あーね(プロフ) - お待たせしました続編制作致しました…！次の話でもよろしくお願いします！ (12月30日 23時) (
レス) id: a59d493da5 (このIDを非表示/違反報告)
あーね(プロフ) - 初心者です！さん» コメントありがとうございます！更新遅くなっちゃってごめんなさい（ ; ; ）頑張ります！！ (11月26日 16時) (レス) id: a59d493da5 (このIDを非表示/違反報告)
初心者です！ - 更新頑張ってください！＆更新お疲れ様です。 (11月26日 16時) (レス) @page39 id: 4136f150ea (このIDを非表示/違反報告)
あーね(プロフ) - 蘆花さん» コメントありがとうございます！宝石の国要素は今んとこマジで要素でしかないのでもっと見せていけたらいいな…更新頑張ります！ (11月8日 20時) (レス) id: a59d493da5 (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - んー可愛い！宝石の国要素マジで好きです！…もし砕けてしまったら記憶とか…なくなっちゃうんでしょうかね。クッ…見たい…。更新応援しています！ (11月8日 19時) (レス) @page28 id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あーね | 作成日時：2023年9月21日 22時
