78 雪崩 ページ31
バキバキと木々が薙ぎ倒される。破壊音から逃げるように走りながら、サンジは檄を飛ばした。
ｻﾝ「なんとか振り切るんだ！！こいつら全部と戦ってたら日が暮れちまう！！」
ﾙﾌｨ「くそっ」
悔しげにルフィが呟く。その目前に、回り込んだラパーンが差し迫った。
ﾙﾌｨ「ぬ！」
ｻﾝ「よせ！」
『“
反射的に上げられた足を、サンジが掴んで止める。は、と正気に戻ったルフィの頭上を、血を吐くラパーンが飛ばされて行った。
ｻﾝ「バカ野郎おれ達に任せればいいんだ！！」
ﾙﾌｨ「ごめんっ！」
3人の足は止まらない。応戦し、避け、逃げ続けていると、ふとルフィの視線が上がる。
ﾙﾌｨ「おい上行けるぞ！！」
少し木々の少ない間から、山の上へと続く坂が見えた。ここをショートカットして行ければ、なんとか振り切れるはずだ。先行け、と攻撃を足で受け止めるサンジに頷くと、ルフィはAの襟首を口へ咥えた。
『！？』
ﾙﾌｨ「
そのまま、ラパーンの体を駆け上るように踏み台にして、坂の上まで一気に飛び上がる。少し遅れてサンジも同じく上へ飛んできた、が。
『きた！』
ラパーンもうさぎである。ぴょーんと軽く飛び上がり、ルフィ達の後を猛烈に追い始めた。
ｻﾝ「とにかく逃げろ！！頂上まで！！」
『ラパーン、ない…？』
ｻﾝ「撒いたか…」
どれほど走っただろうか。もう山も目の前に見えてきた辺りで、3人はやっと足を止めた。ずっと硬化していた両腕を解いて、Aは一つ息を吐く。いけるか、との問いにうんと答え、Aは顔を上げた。
『…！？ あれ』
ﾙﾌｨ「ん？…何やってんだあいつら」
目線の先に、ラパーンがいる。
こちらを追いかけてくる様子ではない。が、坂の頂上で郡れになった彼らは、何やらボフンボフンと飛び跳ねている。
ｻﾝ「い…いや…ちょっと待て…！！」
サッ、とサンジの顔色が変わった。
ｻﾝ「やりやがったあのクソうさぎ共…！おい、逃げるぞお前ら！」
『えっ』
がし、と足を雪に埋もれさせるAを引っ掴んで、サンジは後ずさる。その目は信じられないというように大きく見開かれ、薄く涙ぐんでいるようだった。
ﾙﾌｨ「逃げろってどこへ」
ｻﾝ「どこへでもいい…どっか遠くへだ！」
そう叫んで、今来た道を戻り始める。背後に、猛烈な音が差し迫ってきていた。
ｻﾝ「雪崩が来るぞォ！！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 248人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あーね(プロフ) - お待たせしました続編制作致しました…！次の話でもよろしくお願いします！ (12月30日 23時) (
レス) id: a59d493da5 (このIDを非表示/違反報告)
あーね(プロフ) - 初心者です！さん» コメントありがとうございます！更新遅くなっちゃってごめんなさい（ ; ; ）頑張ります！！ (11月26日 16時) (レス) id: a59d493da5 (このIDを非表示/違反報告)
初心者です！ - 更新頑張ってください！＆更新お疲れ様です。 (11月26日 16時) (レス) @page39 id: 4136f150ea (このIDを非表示/違反報告)
あーね(プロフ) - 蘆花さん» コメントありがとうございます！宝石の国要素は今んとこマジで要素でしかないのでもっと見せていけたらいいな…更新頑張ります！ (11月8日 20時) (レス) id: a59d493da5 (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - んー可愛い！宝石の国要素マジで好きです！…もし砕けてしまったら記憶とか…なくなっちゃうんでしょうかね。クッ…見たい…。更新応援しています！ (11月8日 19時) (レス) @page28 id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あーね | 作成日時：2023年9月21日 22時
