私の彼の事② (ページ10)

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白旗ページ10

「ゆうくん、今度のお休み何する？」

「なんて？」

「今度のお休み何する？」

「違う。その前」

「りゅうくん」

「"ゆうくん"言うてなかった？」

「ううん。りゅうくん」

「……何なん。そんな呼び方した事ないやん」

「そんな事よりさ、ゆうくん」

「"ゆうくん"言うてるやん」

「腹立つ？」

「腹立つ」

「それにしてもこのワインめっちゃ美味しいな」

「あ、そうや。今度の休みあっこ行こうか」

「どこ？」

「前に行ったやん。すんごいワインが美味しい店」

「……どこ？」

「ホテルの最上階の」

「どこそれ」

「夜景がめちゃくちゃ綺麗な所」

「私行ってない。それ私やない」

「あれ、Aちゃうかったっけ」

「………」

「腹立つ？」

「腹立つ」

これが俗に言う、
ブーメランです。

人が嫌な気持ちになるような事はしませんように。
それは絶対自分に返ってきます。

「…誰と行ったん？」

「山内」

「なんだ、山内くんか」

「ﾌﾝｯ、"なんだ"って、」

「あ！もしかしてめちゃくちゃ美味しいお肉もあるって言ってた所？」

「そうそう、ロケで行った所。ほんでその時に思ってん。今度リサとも来たいなーって」

「は？なんて？」

「今度リサとも来たいなーって」

「Aやし、…誰やねんリサって」

「ん？」

「私はAやし」

「ほんで？」

「……リサちゃうし」

「だから？」

これが俗に言う、
ブーメランと倍返しのコンボです。

特にこの手の攻撃は、
彼の様な女の子属性の根底Sっ気男子には、
絶対にやめましょう。

こっちが完全に降伏するまで攻撃を続けてきます。

「ごめん」

これが俗に言う、
どストレートな"ごめん"です。

こうなったらもう謝る以外に術はありません。
素直に謝ってしまいましょう。

彼の満足そうな表情を確認したら、
思いっきり甘えて彼に身を委ねて下さい。

そして、
彼の言う通りにして下さい。

それで事は万事解決です。