私の彼の事② (ページ25)

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「ちょっとA、何してんの？」

「？？！！！」

「うわ、え？何これ。もしかして一人で月見してたん？」

空になったお月見団子のパッケージを手に取り、
まじまじと見つめながらそんな事を言う彼。

「な、なんっ」

「俺のは？」

「え？」

「俺のお団子は？」

「あ…、ない、無いねんけど…、なんd」

「えぇー…、俺も一緒に食べたかったぁ…。スーパー寄ったけど売り切れやったし」

「いや、な、何で？お仕事は？お泊まりは？」

「それは明日やし」

「えぇーー……」

「えぇーー……じゃないねん」

「………願いって叶うんや…、」

「なに？」

「…ううん、なんでもない」

「ちょっとここで待っといて」

「うん？」

「俺もAとお月見したいから酒取ってくる。団子ないけど」

そう言うといそいそと部屋の中に入っていった彼を目で追いながら、
とりあえず神様仏様お月様に感謝しておいた。

ただ私がちゃんと彼のスケジュール把握してへんかっただけやけど。

そして舞い戻って来た彼の手には、
お酒と最近彼がハマってるウエハースチョコ。

「はぁ、最高。団子はないけど」

グビっとビールを流し込んで一言。

団子ないってめっちゃ言ってくるけど、
月明かりに照らされる彼はとてもエモい。

「そういえば濱くん知ってる？月には月星人がいて、」

そんなエモい彼は、
この後私のしょーもない話にしばらく付き合わされるのだった。