私の彼の事② (ページ15)

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「あっ、濱くん、お団子屋さん！」

「お、ほんまや。食べる？」

「でも朝ごはん食べたばっかりやしなぁ、」

「何を今更…、普段めっちゃ間食するやん」

キッと睨んでみたけど、
そんなの無視して"こんにちは～"なんて挨拶しながら私の手を引っ張って入店。

「うまそう〜」

入店するやいなや、
中腰の姿勢でショーケースの中のお団子達に目を奪われながら店員さんと世間話をし始める彼。

「折角やからオススメにする？」

クルッと私の方を振り返った彼の表情は、
何だかキラキラしてて、
早くお仕事したいんやろなーって。

そう思った。

最終的にオススメのお団子と別に、
サービスでお団子を２本貰って退店した。

ロケしてるやん。

さっきよりも更に街は活発になっていて、
いくら帽子を被ってマスクをしていても、
おっきい彼はやっぱり目立つ。

それなのに人の目なんか気にしないで、
私の手を取る彼に嬉しさが込み上げてくる。

好きなお店を全て網羅して、
たくさん買い物をして、

時間が経つのはあっと言う間。
至ってベーシックなデートに幸せを噛み締めた。

「あ、濱くんお酒飲む？」

「え？」

「ほら、あそこ。バル」

「えぇー…。いやいい」

珍しい。
外で飲むの好きやのに。

明日からまたお仕事開始やし、
こんな機会滅多に無いのに。
一瞬迷いを見せつつも拒否してきた彼にちょっと驚いた。

「もうちょっとAとブラブラしたい」

「え？」

「こんな事滅多にないし酔っ払って訳分からんなるの勿体ないし」

「濱くん……、今日はやけに素直やね」

「あ、ここ見てみよう」

急に我に返って恥ずかしくなったのか、
パっと目に入ったお店に吸い込まれる彼。