あの時のアレ ページ33
はあーーーー。
つかれた。
心の中で思っきり溜息をついてご帰宅。
玄関を開けると、
リビングの明かりがついてるのが分かって、
一気にテンションが上がる。
「ただいま！」
「おかえりお疲れー」
リビングから冷房の涼しい風と共にいい匂いが漂ってきた。
「今日早かったんやね」
「うん。Aどうする？すぐご飯食べる？」
「食べる！」
キッチンに立つ彼の横に陣取り覗き込むと、
大葉をリズミカルに切断中やった。
お鍋ではポトフ的な物がコトコトと沸騰中。
ローリエのいい香りが体内に染み入ってきて、
それだけで満たされた。
更にその隣のお鍋にはパスタがゆらゆらとお湯の中で踊っていた。
そして今度はみょうがをリズミカルに切断して、
明太子の皮から中身を取り出していく彼。
「もしかして冷製明太子パスタ？」
「ピンポーン」
「やった！めっちゃ好き！」
「もう出来るから座っといて」
既にテーブルに準備されている食器達を見て、
不定期にやってくるこの幸せを噛みしめながら着席する。
「よし、食べよう」
こんもりと綺麗に盛り付けされた明太子パスタと、
サラダにポトフ。
お茶で乾杯をして、
彼の作った料理に舌鼓を打つ。
「私、毎食コレでいい」
「…それはちょっと言い過ぎてない？」
「ううん、だってめっちゃ美味しいもん」
「まぁ……ほんま美味いよなぁ、」
ﾝﾌｯ、
ドヤ顔で自画自賛するのはご愛嬌。
「じゃあAさ、コレかけてみて」
そしてテーブルの上にコトっと置かれる謎のビン。
瓶の中には茶色い粉。
「………カレー粉？」
「うん」
「え、なんで？イヤや。合わんもん絶対」
「えぇからちょっと食べてみて」
そう言いながら、
自分の食べてたパスタにカレー粉を振りかける彼。
そしてクルクルとフォークに巻き付けて、
私の口元に運んできたから、
瞬時に口を開けてしまう私。
「どう？」
「……ただのカレー」
「ﾝﾌﾌﾌｯ、せやんな」
「折角のパスタやのにもったいない」
「ﾌｯ…、」
「ねぇなに？」
「何かすごい浄化された気分」
「何なんそれ」
何か分からんけど、
私も美味しいご飯と
まさかの"あーん"発動で浄化されたし、
まぁいっか。
なんて無理矢理整理をつけて、
この日の夕食タイムは終わった。
そして約一週間後。
テレビのOAを観て、
あの時彼は、
ただただ拗ねてただけやったって事を知って、
私は私でギュンギュンする事になる。
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Lily(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます！スローペースではありますが、これからもぜひぜひ宜しくお願いします☆ (2022年3月25日 17時) (
レス) @page50 id: 45407d4f21 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - きゅんきゅんします❤️更新楽しみです (2022年3月24日 22時) (レス) @page49 id: e9d6431d93 (このIDを非表示/違反報告)
Lily(プロフ) - ゆゆあさん» はじめまして！コメントありがとうございます！素晴らしい作品なんて、最上級のお褒めの言葉嬉しいです☆これからも気が向いたら覗いてみて下さいませ(*´ω｀*) (2021年9月22日 23時) (レス) @page32 id: 45407d4f21 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆあ - はじめまして！私最近濱家さんにハマってしまいまして、小説無いかなーと思って探してみたら素晴らしい作品に出会えました！濱家さんの奥さんはこんな感じなのかなぁと思いながら読んでいたらなんか幸せになりました(*´꒳`*)続編楽しみに待ってます！ (2021年9月20日 17時) (レス) id: e6e11962fa (このIDを非表示/違反報告)
Lily(プロフ) - マカロンさん» コメント嬉しいです！！亀更新ですがもっともっとキュンのお裾分けが出来るように頑張ります！！ありがとうございます☆ (2021年8月28日 22時) (レス) id: 45407d4f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Lily | 作成日時：2021年4月3日 20時
