St.Valentine ページ41
「おぉ、スゴイ量」
「俺、死ぬんかな」
「はい？」
「こんなに貰ったん生まれてはじめて」
ガサゴソと一個一個丁寧に、
テーブルの上に広げられるチョコレート達。
「とりあえず実際に手渡しで貰った分だけ持って帰ってきてんけど」
世間がバレンタインとざわつき始めた頃からなんやかんや貰ってきてたけど、
予想通り当日はもっとすごかったみたい。
「愛されてるねぇ」
「ありがたいよなぁほんま…、」
しみじみしてるとこ悪いけど、
私のチョコレートかすむやん。
お菓子なんかほぼ作った事ないけど、
今年は手作りしてみたのに。
あれよあれよと並ぶ可愛らしいチョコ達を前に、
なんとなく渡すタイミングを失った私の手作りチョコケーキ。
「濱くんこの箱あけてみて。コレ絶対手作り」
数あるチョコの中で、
一際目立つ綺麗なブルーのリボンが掛けられた少し大きめのクラフトBOXがあった。
「いや、手作りは流石にないんちゃうかなぁ」
「なんで？」
「なんでって、だって、手作りってさ、本…、本命って事やろ？俺にはAがおるしさ、」
「何勝手に動揺してモジモジしてんねん。今や友達にも手作りチョコあげる時代なんやで？」
「…まぁ、…そうなんやろうけど、…いやでも異性の友達に手作りあげる？」
「あげる」
「それってさ、どういう気持ちなん？」
「どうもこうも大量の友チョコ買うよりも自分で量産した方が安いやん」
「夢無ぁ…」
「いいから早くあけてみて」
スルリとリボンを解いてパカッとオープンすれば、
ハッピーバレンタインの文字と共に、
彼の似顔絵があしらわれたクオリティ高すぎなチョコが視界に飛び込んできた。
「これ量産型？俺の顔入ってるけど」
「これはー…、うん、量産型」
「ﾌﾞﾌｯ、俺を量産して何の意味があんねん」
「…………本命？」
「ほら」
「ほらってなんやねん。はぁーあっ、おもんな」
「え、どこ行くん」
「コーヒーいれてあげる。それは多分今日中に食べた方がいいと思う」
「俺、Aのそういう所好き」
「はいはい」
「あしらうなよ」
あー、どうしよう。
私の手作り。
あんな素敵なチョコ見たら余計に出しづらくなってしまった。
いらん事してないシンプルな物が好きな彼に作った至って普通のチョコケーキ。
せめてもの飾り付けに上からパラパラと粉砂糖をかけた、
それはそれはちょーシンプルなチョコケーキ。
そら渡しづらいやろ。
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Lily(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます！スローペースではありますが、これからもぜひぜひ宜しくお願いします☆ (2022年3月25日 17時) (
レス) @page50 id: 45407d4f21 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - きゅんきゅんします❤️更新楽しみです (2022年3月24日 22時) (レス) @page49 id: e9d6431d93 (このIDを非表示/違反報告)
Lily(プロフ) - ゆゆあさん» はじめまして！コメントありがとうございます！素晴らしい作品なんて、最上級のお褒めの言葉嬉しいです☆これからも気が向いたら覗いてみて下さいませ(*´ω｀*) (2021年9月22日 23時) (レス) @page32 id: 45407d4f21 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆあ - はじめまして！私最近濱家さんにハマってしまいまして、小説無いかなーと思って探してみたら素晴らしい作品に出会えました！濱家さんの奥さんはこんな感じなのかなぁと思いながら読んでいたらなんか幸せになりました(*´꒳`*)続編楽しみに待ってます！ (2021年9月20日 17時) (レス) id: e6e11962fa (このIDを非表示/違反報告)
Lily(プロフ) - マカロンさん» コメント嬉しいです！！亀更新ですがもっともっとキュンのお裾分けが出来るように頑張ります！！ありがとうございます☆ (2021年8月28日 22時) (レス) id: 45407d4f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Lily | 作成日時：2021年4月3日 20時
