朗報 ページ7
「アカデミー賞受賞おめでとうー！！！」
事務所に着くと、
社長をはじめ、
マネさんとその他スタッフさんが出迎えてくれた。
「まじですか？！」
「菅田くんと松坂くんが優秀主演男優賞。Aちゃんが優秀助演女優賞！」
「うっそ！やばい！今年は無いかと思ってた！！」
いえーーーっ！！とハイタッチして、
華麗にガッツポーズを決めていた所に、
菅田と桃李くんがやってきた。
「Aおめでとう！！」
そう言うと両腕をピーンと真っ直ぐ上に伸ばす菅田。
ご丁寧に背伸びまでしてる。
何それ。それじゃ手届かないし。ハイタッチ出来ないし。
「Aおめでとう！」
パって見たら桃李くんが私の目線に合わせて両手を出してくれたから菅田は無視して、
いえーーーぃっ！ってハイタッチして、
ハンドシェイク的なのをやろうとしたけど、
やった事ないから、
ぐちゃぐちゃってなって、
わちゃわちゃと終わった。
そして変な笑いが起きる中、
桃李くんはさっき来たばっかなのに、
息付く暇もなく次の現場に向かった。
「今、桃李くんお前の事Aって言うた」
「ね。流行ってんのかな。名前呼び」
「流行ってる？」
「この前倫也さんも私の事Aって呼んでた」
「ふーん…、そんな流行りいらんけど」
「おい。失礼だな」
「まぁまぁ、おめでとう」
そう言うと今度はちゃんと片手を出してきたから、
とりあえず上から目線でハイタッチしてあげた。
「どうも」
「いや桃李くんとのテンションの違いよ」
「ﾌﾌｯ、」
「早瀬、そろそろ中村くんの現場行くよ」
そうマネさんが声をかけてきた。
今日は倫也さんのオールアップの日でもある。
少しの間だったけど現場ではお世話になったし、
明智さんの最後を見届けようと思う。
「じゃねー菅田、さらばじゃ」
「どんなキャラやねん」
そんな菅田のツッコミを背に、
倫也さんの元へと向かった。
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作者名：Lily | 作成日時：2020年6月26日 4時
