・ ページ11
舞台上から見る景色はやっぱり壮観だった。
そして、
今思ってる事をそのままお伝えした。
パッと桃李くんを見たら、
うんうんって頷いてくれてて、
その後ろで、
菅田と隣に座ってる星野さんが手をヒラヒラさせてたけど、
華麗にスルーしてスピーチを締めた。
深々と頭を下げて、
拍手喝采の中、舞台上を後にした。
「おめでとう」
席に戻ると、
改めて桃李くんがそう言ってくれたから、
ここは素直に"ありがとう"って言っておいた。
「真面目にスピーチしてたじゃん」
「…私はいつでも真面目だし」
「ははっ、そうね」
「次は桃李くんの番だね」
「ふー…、そうだといいけど」
そんな事言ってるけど、
絶対桃李くんだよ。
菅田も言ってたもん。
今年は桃李くんやろうなーって。
それから色んな賞を挟んで、
最優秀主演男優賞発表の時が来た。
『最優秀主演男優賞は、〜〜〜、松坂桃李さんです』
わっと歓声が湧き上がって、
今度は私が桃李くんをハグしてやろうと両手を広げたけど、
笑って誤魔化してそのまま登壇した桃李くん。
やっぱり桃李くんだった。
サクラさんからトロフィー受け取りたいって言ってたもんね。
登壇した桃李くんは、
ゲーマーでオタクで、
スーパーハードニートな松坂桃李パイセンではなく、
れっきとした、俳優松坂桃李だった。
このギャップにみんな萌えるんだろうなー。
なんて全然別の事を考えていたら、
桃李くんのスピーチは終わっていた。
「今年は泣かなかったね」
「うるさいよ」
帰ってきた桃李くんに軽くジャブを打って、
残りの時間を楽しむことにした。
そして見事に作品賞にも輝いて、
全てが万々歳に終わった。
その後は皆で集合写真を撮ったり、
インタビューを受けたり、
事務所の社長も含めて、
スタッフさんやら関係者の方々と、
やいのやいの盛り上がって余韻に浸りまくり、
素敵な1日となった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 184人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Lily | 作成日時：2020年6月26日 4時
