フウカは、知らない ページ35
カイトside
フウカがチトセと話している最中ーー
放課後。僕はある少女と相対していた。場所は教室。
さっき、職員室への廊下で出くわした、彼女。
カリン「それで、話って?」
ふわりとライトグリーンの髪を揺らして、緑の王女、カリンがニコリと笑った。
カイト「うん。君なら、協力くてくれるかも知れないと思ってね。君には酷かもしれないけど、せめて提案だけでも聞いてほしくて。」
僕も軽く笑って言葉を返す。きっと、彼女なら分かってくれる。
この提案の意味も、…僕の、気持ちまで。
カイト「僕は、フウカが好きだ。」
カリン「…っ!それで?」
カイト「でも、フウカは昔からチトセの事が好き。」
僕の一言に、カリンの顔が曇る。それはそうだろう。この1日で、よく分かったから。
カイト「そして、君はチトセが好き。」
カリン「…そうよ。…でも、」
カイト「チトセもまた、フウカが好き。」
カリンは俯いて、髪の奥に顔が隠れる。僕はははっと乾いた笑いを浮かべることしかできない。
カイト「見事な四角関係だよねぇ。…それなのに、真ん中にいるフウカは気付いてない。」
だんだんと、笑えなくなる。笑顔なんて、もともとフウカにしか見せないタチだ。
僕のデフォルトは、無表情。フウカは知らない。知らなくて良い。
もし知ったら、優しくて明るくて鈍くて…
無自覚に残酷なフウカは、僕のために、泣いてしまうから。
カイト「あ〜、なんか暗くなっちゃったね。ゴメンね?それで、僕が言いたいのは単純明快。フウカには幸せになってほしいからさ。」
カリンは、俯いたまま、顔をあげない。それでも、いい。聞こえているのなら。
カイト「僕が“いなくなるまでに“フウカに自覚してもらおーかなって。」
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あんなつ♪(プロフ) - みるくプリンさん» ありがとうございます!返信遅れてすみません!今すぐ拝見させていただきますね! (2020年6月6日 12時) (レス) id: 2efed111d7 (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - お待たせしてすいません!「イベント参加者様の作品をアドバイスさせて下さい!」と言う作品に書かせて頂きました。読んで頂けると嬉しいです。それと、右の☆をポチらせて頂きました。 (2020年6月1日 19時) (レス) id: 7db76bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
ケイ(プロフ) - あんなつ♪さん» おう聞くぜ、何なりと! (2020年4月6日 17時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
あんなつ♪ - ケイさん» うん!任せて…の前にカイトさんから重大な告白ですwお願いだから飽きずに聞いてあげてーー!! (2020年4月6日 17時) (レス) id: 4c8a4c0a03 (このIDを非表示/違反報告)
ケイ(プロフ) - あんなつ♪さん» とうとう動いたか…フウカを早く助けてあげて!あんなつファイト(大真面目) (2020年4月6日 17時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
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