らくだい魔女〜一筋の淡い恋心を君に〜２

☆次の作戦は？ ページ4

レイside


　霞む頭でボーッとしていると、


　チトセ「来るっ！右に避けろ！」


　と、チトセ様に助けて頂いた。

　そのあと、きっと、ひっ迫した状況になったのだろうけど、ぼくにはもうほとんど聞こえなかった。

　(まずい…)

　聴覚も機能しなくなってきていて、ぼくが一番の重荷になってしまった。

　ぼくが出せる技も限られてきていて、どうも立ち上がる力もない。


　レイ「………」


　レンはまだぼくの中で眠っている…。

　きっと、また入れ替わったら、彼(レン)が狙われることになってしまう…

　それだけは避けたい。

　ぼくは心の中で、そう思うと、すっ...と目を閉じる。

　そして、心の中で、魔法を発動させようと、精神を集中させた。


『慧展術 縛り渦』


　すると、竜とオニキスの動きが鈍った。


　オニキス「小僧、何をした？」

　竜「なんだい、これは、オニキスも術に落とし入れるなんて、こいつはやるね。」


　と、いびつな動きをしながら、二人で感想をのべあっている。

　けれども、レンのように悪態をつくほどの口と、気力を持ち合わせていないため、二人のことを半ば無視して、ぼくは地面に手をつき、体を浮かせた。


　チトセ「…おい、レイ。大丈夫か？」


　こそっと、心配してくれるチトセ様に、ぼくはゆっくりと顔を向け、うなずく。


　レイ「もうすぐ、術の効果が切れます。なので、なんとかしてでも、やつを止めなければ…」


　一体どうすれば…？

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