らくだい魔女と両思いのち片思い〜ライラックの花言葉を君に捧ぐ〜

カイトを救出に……？ ページ8

フウカside



チトセ「おいっ！どこ行こうとしてんだ馬鹿！ちっとは大人しくしてろ！」



フウカ「大人しくなんてしてる場合じゃないんだってっ……カイト助けに行かないと！！ 」



チトセ「はあ！？」



訳が分からないと言いたそうな顔をしたチトセにがっつくように言い返す。



フウカ「カイトが危ないんだよ！助けに行かないと！」



チトセ「……何を根拠にんなこと……」



切羽詰まって怒鳴るあたしに、チトセが仰け反って眉を寄せる。


それでも何か心当たりがあるのか、真剣な眼差しであたしを見た。



チトセ「ホントに今すぐ行かなきゃいけないくらい危険なのか？」



フウカ「詳しくは分かんないけど、多分」



チトセ「……分かった」



チトセと、あたしを支えてくれているカリンが目配せしあって頷く。



チトセが、くるりとあたしに背を向けた。



チトセ「乗れ」



チトセがその場で少し屈んでくれる。あたしは最初は意味が分からなくてポカーンとしてたけど、カリンが背中を押して「フウカちゃん、疲れてるでしょぉ」って言ってくれたから、やっと気付いた。



フウカ「……おぶってくれるの？」



チトセ「早くしろ///時間ねぇんだろ？」



フウカ「あ、うん……///ありがと」



ぶっきらぼうに返答してきたチトセの耳が少し赤くて、つられてあたしも赤くなっちゃいそう……！



あたしはぎこちなくチトセに近付いて、ゆっくり体を預けた。



チトセがあたしをおぶったままカリンの方を振り返って声をかける。



そのとき、あたしはフッと思ってしまった。



チトセ「カリン、走れるか？」



フウカ「ガートはどうするの？」



あたしとチトセの声が微妙に重なる。重たい沈黙が流れて、全員がガートの方を向いた。



カリン「……とりあえず、このままにしときましょう……」



チトセ/フウカ「「そうだな……/そうだね……」」



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