目立ちたくない少女はある秘密を抱えているそうで part2

・狼56匹 ページ14

大晦日

祝日ではないが、一年の最後の日ということで大半の人がのんびり家で過ごしたり、遊びに行ったりと、楽しい日を過ごす日

私も例にもれず毎年家でダラダラと過ごしていたのだが、倫からのお誘いを受けてしまった以上腹をくくらねばならない

まぁ女子メンには気にせず楽しめっていうエール？をもらっている


結局あの後、一人でも考えたけど答えは出なかった
だから、まぁ流れに身を任せようと思う



「行ってくる…」

「そんな暗い顔していくなってー！まぁ町で見かけても話しかけないでおくわ」

「んー、
ほのかも横尾とのデート、楽しんで」

「ありがとー、行ってらっしゃーい、

あ、あと2時には帰ってきてね！朝の仕込みしなきゃ」

「オッケー」


元日の朝の飯は男子メンツには内緒で二人の手作りおせちにしようとなっていた

女子はオールをすることになるのだが、そこは深夜テンションと元日という特別な日のテンションで乗り切ろうということらしい


Aは寝落ちしたらごめんとはほのかに前もって言っておいた
なにせAはオールなどしたことないし
特別な日以外は11時前には必ず寝ているから


まぁ手作りといっても大半は市販品を重箱に移したり、食べやすい大きさに切ったりするだけだから簡単ではあるだろう
それに元日なのでいつも通りの時間に起きてくることはない、と女子二人は思っている
実際そうなのだが



「A、ごめん待った？」

「あ、ううん大丈夫
それに寮の中だし、」

「そっか、いこ」

「うん」

やばい、思っていたよりもかっこいい

これ心臓持つかな


「行くところ決まってるの？」

「うん、予約してる
Aが好きそうなところだよ」

「あ、そうなんだ
ありがと」


スマート過ぎない？？

え、男子とデートするときってこういうのが普通なの？？


てか、そもそもこれってデートなのか？

いや、まぁ二人で出かけてるからデートかもしれないけど！



「A？ついたよ、どうしたの？」

「うわっ！
びっくりしたぁ」

「大丈夫？」

「うん、大丈夫ごめんね」

Aがあれこれ考えているうちに目的についたみたいだ

大晦日にもかかわらず行列ができている店がある



「ここ？」

「うん、予約しているからそんなに並ばないと思うよ」


確かによく見たら列が二つできていて最後尾には【ご予約済みの方】と【ご予約されていない方】という二つの看板がたっていた

一瞬こんなに並ぶのか、と思ったがその心配は無用だったようだ

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