portrait (ページ12)

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your side_

その人は透き通るように真っ直ぐな瞳をこちらに向けて、
でもどこか伺うような揺れた色をこちらに見せていた。

……ダメですか、と整った顔をまた悲しそうに歪めるものだから

なんでだろう、思わず笑ってしまった。

突然笑いだした私を見て不思議そうに小首を傾げる。

ころころと変わっていく表情に

また思い出してしまいそうな記憶を押し込んで

1つ息を吐いた。

｢……私、明日もこの前の公園に行くので」

大我『……え？』

「今カメラ持ってないから。

あの、もし都合がよかったらですけど。」

正直、自分でもなんでそんな提案をしたのか分からない。

けど、

その人はパッと音がしそうなくらいに弾けた笑顔を見せて、
絶対行きます！なんて言うから

また笑ってしまう。

大我『……あの、お名前聞いてもいいですか？』

なんか今更、すみませんと頭を掻いた。

「…佐伯です。佐伯A。」

大我『俺は京本大我って言います。

…引き止めちゃってすみませんでした。』

帰りとか、大丈夫ですか？と伺う姿は
無理に送っていくと言うような強引さが無くて
勝手に安堵してしまった。

「いえ、全然。……それじゃあ、」

大我『はい、

また明日。』