大切なもの ページ4
＿＿＿＿＿
サウジアラビアが攻撃を仕掛けてくる。
『火の鳥』の異名に相応しい空中戦で、軽々とパスを繋いでいく。
追えない速度ではないが、紫音には身長が足りず、単独で流れを止めることは難しかった。
どうしたものかと辺りを見ると、既に野坂が動いていた。
流れを読んでパスコースに入り、オーバーヘッドキックでボールをカットした。
「あそこでオーバーヘッドなんて珍しいな。」
確かに明日人の言う通りだった。
魅せプレイとしては面白いかもしれないが、今の場面はヘディングでもよかったはずだ。
すると、何か事情を知っているらしい氷浦が教えてくれた。
「野坂は本調子じゃないらしい。今、頭に衝撃を受けると、サッカーが二度とできなくなってしまうかもしれない。」
「ええっ！？だからヘディングしなかったのか？」
良くも悪くも明日人は純粋だと紫音は思った。
氷浦の言うことが本当だったら大変困ったものだが、野坂が不完全な状態で復帰するのについては疑問に思う。
どちらにしても、野坂なら上手くやるだろうと彼任せにしている節もあるが。
それにしても、少し離れたところで一星が今の会話を聞いていたことを、氷浦は頭に入れているのだろうか。
♪♪
＿＿『サッカーが二度とできなくなるかもしれない。』
聞いてしまった。まだ知らない方が気が楽だった。
一星は酷く葛藤した。
オリオンとの関係を元に戻すチャンスはこれが最後。しかし、従えば野坂が犠牲になる。
サッカーはいつだってアツくて楽しいもの。
ようやくそれに気がついた矢先の指令だった。
光も自分も大好きなサッカーで誰かを潰すなんて、絶対に間違っている。
でも、やらなくては光を助けられない。
「助けて、兄ちゃん……」
また心の中に光が現れ、助けを求めていた。
その一言で、一星は覚悟を決めた。
「(俺は何があっても光を裏切れない。いつか光とサッカーをするために、俺はここにいるんだ！)」
何があろうと、一星の中で光より大切なものはなかった。
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ツナ(プロフ) - ･:*+.\(( ^^ ))/.:+さん» 期間空いたにも関わらずしれっと更新しちゃってすみません笑。もう少し更新頻度高くしながら書き進めたいと思います！ (2021年9月13日 18時) (
レス) id: 6ab8a556b3 (このIDを非表示/違反報告)
･:*+.\(( ^^ ))/.:+ - なんで見るのがこんなに遅れたんだ…私のバカ。更新ありがとうございます…！ (2021年9月13日 17時) (レス) id: 98cc6c3041 (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます！今日久しぶりに更新しました。感覚を取り戻しながら少しずつ進めたいと思います！ (2021年9月11日 10時) (レス) id: 6ab8a556b3 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - ツナさん» もう一つのｐｃがしました。初めまして！とっても素敵です！高評価しました！ (2021年9月11日 10時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - 発狂人さん» ありがとうございます！最近また書きたいと思っているので時間見つけて頑張ります！ (2021年8月11日 16時) (レス) id: 6ab8a556b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ | 作成日時：2021年2月20日 17時
