【歌い手】○○な恋【短編】 (ページ12)

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【びす】君との距離rion ページ12

“ピンポンパンポーン“

“…航空……行き、只今から搭乗を開始いたします”

たくさんの航空情報が空港内を飛び交うなか、彼女が乗る航空機の搭乗を開始する合図が、CAさんにより伝えれた。

ああ、そろそろだ……

行っちゃうよ……もう…………

あれだけ心の準備をしていたはずなのに、どんなに愛しくたって行っちゃうことは分かってるのに、

僕の心の奥で、今すぐにでも飛び出したいとはねている動悸が
"いかないでよ"
と囁く。

『泣かないで』

自分よりも背の高い僕のことを、腕を上げながら優しく微笑みなでるA。

もう、なんで……優しくしないでよ……

もっと離れたくなくなっちゃうじゃん………

「……泣いてない…よ……」

『ふふっ、でも目が赤いね。………びすくん、大丈夫だから。また来るよ、こっちに』

そんな大人っぽいことを言うAは、やっぱりいつも以上に大人っぽく見えて……また寂しくなっちゃう僕がいる。

だめだ、僕……Aは自分自身の決めた夢に向かって突き進もうとしているのに……

僕は……僕なんか……
笑顔で送ってあげることなんてもう無理で、涙なんてみせちゃって。

どんどん先に進むAと、そんなことしかできない僕との距離、
君はどんどん先へ進むのに…
僕はまるで時が止まったよう……
遠いままじゃだめだ。

ああ、もうそんなことわかってる…！
……でも…

まただ、でもという言葉が出てくる度に、自己嫌悪の繰り返し。

本当にこのままじゃだめだ。
遠距離恋愛なんて憧れじゃん！

この際、こんなことも自己満足なんかじゃない、ポジティブに考えているだけだ。

「いってらっしゃい！」

『うん、いってきます！』

彼女の後ろ姿は、なんだか自信にみちあふれていた。
それと同時に、僕も長い長い階段をちょっとだけ上がれたような気がした。

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短くてスンマソン
無理矢理感パなくてスンマソン;;

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