ハコヅメ〜たたかう！元刑事課女子〜2

聴取 ページ7

川合 side


緊張しながらも、女の子からしっかり聴取を取るために取り調べ室に入る。


川合「失礼します。町山交番の川合と言います。」


中には、可愛らしい小柄の女子高生が不安そうな表情で座っていた。


川合「ここ、座るね。」


「はい。」


川合「早速だけどお名前は？」


「清水彩菜。」


川合「年齢は？」


清水「17。」


川合「17歳か…」


聞いたことをしっかり報告できるように、

記録用紙にメモしていく。


川合「どこか怪我はしてない？」


清水「多分してないと思います。」


川合「そっか、良かった。それで、何されたの？」


私がそう聞くと、彩菜さんの表情が突然強ばった。


川合「どんなことされた？」


清水「えっと、胸を触られて…」


そう話し始めた彩菜さんの声はふるえていて、

スカートの上で拳を握りしめていたが、

余裕がなかったこの時の私は、その事にも気づけず淡々と記録していく。


川合「どう触られたの？どっちの胸だった？服の上から？それとも…」


清水「それ、言わなきゃダメですか？」


息もする間もなく続けられる質問を彩菜さんが遮った。


川合「あっ、ごめんなさい。じゃあ、被害にあった場所はどの辺だったかな？」


清水「駅前のショッピングモールの裏。」


川合「どんな人だったか覚えてる？」


清水「普通のおじさん。」


川合「分かった、ちょっと待っててね。」


事前に言われた通り、大まかな状況を聞いて源さんに報告しようと退出しようとすると、


清水「あーでも、なんかもう大丈夫かも。」


川合「え？」


清水「さっきまで頭来てたけど、お姉さんに聞いてもらったら治まっちゃいました。」


川合「ほんと？」


清水「はい。」


・


彩菜さんの言葉通り、今日は帰ってもらうことになったので、

署の入口まで彩菜さんを送っていく。


川合「もうすぐお母さん迎えに来てくれるからちょっと待っててね。」


清水「でもバイトなんで…」


川合「だったらバイト先まで送って行くよ。」


清水「大丈夫です。遅刻しちゃうんでもう行きます。」


少し彩菜さんの様子が気になったけど、タイミング悪く電話がなって彩菜さんと別れた。


・


山田 side


医務室の扉を開ける。


山田「A、」


『山田…』


山田「大丈夫か？」


『あぁ、うん。…私が聴取取るべきだったよね。』


山田「体調悪いんだからしょうがねぇだろ。いいから休め。…もうあの事は考えんな。」


『うん…』

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