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スタジオに着くとあっくんが歌詞カードを見ながらソファに座っていた。
「あっくん!」
部屋に入ってあっくんに飛びつくと、バランスを崩すこともなく受け止められ、ぎゅっと抱きしめてくれた。
篤志「お疲れ様、A。金髪似合ってるね。」
抱きしめられた状態で上をむくといつもの笑顔で褒めてくれる。
私はこの優しい笑顔が大好きだ。あ、もちろん声もね!
「ふふっ、ありがとう!新しい曲もできたの!ちょうどいいから聞いてくれる?」
篤志「もちろん。笑」
新しい曲は、シンデレラをモチーフにした楽曲
題名は『For good』
『はじまりはもう 思い出せなくて
紗幕の奥深く
古びたフィルムを映すように
頼りなく軋む
春の日も夏の日も
曖昧に溶けていく枝道で何を願おう
誰にも分からない
この心は 』
篤志「……」
「どうですか?」
歌い終わっても何も言わないあっくんに恐る恐る聞いてみる。
篤志「…うん、また難しい曲作ったね。笑
大丈夫。めっちゃ上手いよ。」
「ほんと?!」
ボーカルとして、あっくんにそんな風に言われることほど嬉しいものは無い。
それからは何曲か聞いてもらったり、2人で歌ったりして仕事の時とは違う穏やかな空気を楽しんだ
篤志「そろそろ店に行こうか」
「もうそんな時間?じゃあ行きましょ!」
あっくんが予約してくれたお店は高級旅館のようないかにも高そうな和風の店
個室に通され、何品か注文してから話を弾ませた。
話題は先程のGENEの話や三代目の面白話をしてから、EXILEの話になった。
「マキさんたちが勇退して、また違ったEXILEになっていくのかな、」
篤志「まあ、そうだね。でもオリメンが抜けてどうにかなるような俺たちじゃないし、まだまだ現役だよ。」
「新メンバーを入れたりするの?」
篤志「考えてはいるみたいだよ。いつかはアキラたちも勇退するだろうからね、」
「そっか…」
少し落ち込んだ様子を見せたAを見て、篤志は話題を変えた。
篤志「この前マキたちの送別会したじゃん?最後みんな号泣で大変だったよね。笑」
「あ!それ私のことも笑ってるでしょ!」
篤志「そんなことないよ。ただ可愛いなぁって思って。笑」
「もう〜」
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作者名:さくら | 作成日時:2018年5月3日 17時