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剛典side
剛典「はぁはぁはぁ」
どこ行ったんだ?広い建物内を走って探す。
あいつ今日はヒールだし、そこまで遠くも行かないはずだけど…
心配と焦りがでてきた頃、声が聞こえてきた。
「ねぇ、ELLY。私剛典に何かしたかな?」
ELLY「どうしてそう思うの?」
「だって…いつもはあんな事で怒らないじゃん。これが私たちの仕事だし、」
ELLY「そうだねぇ、でも岩ちゃんはAの絡みの時、いつも嫌そうな顔してるよ?」
「え?そうなの?」
ELLY「うん。まあこれはメンバーみんなかな。お姫様を取られないように必死なの。笑」
「なにそれ。笑」
おどけて言うELLYに落ち込んでいたAの顔にも笑顔が浮かぶ。
ELLY「岩ちゃんもAも忙しいから、きっと余裕がなくなってお互いに熱くなっちゃったんだよ。」
「そうだね。」
ELLY「あと、お互いに素直になりな?Aも思うことあるんでしょ?」
「…んー、…」
ELLY「それは最近気づいたの?」
「うん…」
ELLY「そっかぁ、俺はAがHAPPYになれる方を応援するからね!」
「ふふっありがとう。」
ELLY「どういたしまして!じゃあこっからは2人で話しな!」
立ち上がったELLYと目が合い、物陰から出る。
すれ違いざまに俺の肩に手を置いてからELLYは戻って行った。
「剛典…」
剛典「A」
俺の顔を見ると泣きそうな顔をして下を向いてしまうA。
隣に座ってその顔を上に向ける。
剛典「A…怒ってごめん。Aは何も悪くないのに、八つ当たりした。ほんとにごめん。」
「ううん、私もごめんね。」
揺れる瞳を見て胸がキュッとなる感覚に陥る。
頬に手を当てておでこにキスした後、赤くなってるAをキツくなるぐらい抱きしめた。
俺は、この人を悲しませたくない。ずっと笑顔で、いつまでもそばにいて欲しい。
誰にも取られたくない。
剛典「―――」
「ん?なに?」
剛典「なんでもない。戻ろっか!」
手を繋いでメンバーの元へと歩く中、ニューヨークで何をするか予定を立てながら戻った。
(そういえば、ELLYが言ってた思うところって何?)
(えっ!!あー、最近ちょっとあれ?って思うことがあってさ、まあ大したことじゃないから!)
(ふーん?)
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作者名:さくら | 作成日時:2018年5月3日 17時