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広臣side
ある日の楽屋
コンコン
ん？
イヤホンをして携帯を見ていると、誰かに目の前の机を指で叩かれて顔を上げた。
目の前には顎に両手を当てて肘をついてこっちを凝視するA
耳を指さす姿を見てイヤホンを取る。
広臣「なに？」
「随分真剣に見てるな〜って思って、」
広臣「まぁね、笑」
「何聞いてるの？」
首を傾げて携帯を覗き込もうとするAに、イヤホンを携帯から外してお互いに画面が見えるように机に置いた。
広臣「これ。」
停止していた動画を再生する。
《〜〜♪〜〜♪》
「私じゃん。笑」
そう、この前AがYouTubeのTHE FAST TAKEに出ることになった。
その時に歌ったのが三代目の曲でも自分の曲でもなく、Rihwaの『春風』
広臣「俺、Aが出てるやつは見るようにしてるから。笑」
「全部？」
広臣「全部。」
即答すると、えへへぇと締りのない顔になっていて、思わずピンクになっている頬に手を当てた。
「なに？」
ぴ、と目を見開くAは本当に男心をくすぐる天才だ。
広臣「締りのない顔だったからほっぺたが落ちると思って、」
笑いながら言うと、今度は頬を膨らませるから表情がコロコロ変わって飽きない。
頬に当てたままだった手で宥めるように頬を撫でてから手を戻した。
「…で？」
広臣「ん？」
「どうだった？」
不安そうに聞いてくる目はじっと俺を見つめる。
上目遣いになってるのに気づいてるのかね、この子は。
………気づいてるわけないか。
この鈍感に俺達は振り回されてるんだもんな。笑
・
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作者名：さくら | 作成日時：2018年5月3日 17時
