第44話* ページ7
最悪だ、とAは頭を抱える。
月に一度訪れる女性特有の日がやってきた。
しかし今回は少々重いようで、体は鉛のように重く、お腹どころか腰まで痛い。わかりやすい貧血症状まである。
学生の頃に数回程度重い腹痛で立ち上がれない時もあったが、その経験があった為か無理に動くのは家の中であっても危険だと本能的に言われている気がする。
ルームシェアをしている以上、3人には理解をして貰っているが、毎月の事なので世話を焼いて貰うのもちょっと気が引ける。
だが、体は嘘が付けない。少し歩いて廊下で休憩していると、部屋から出てきたnqrseが驚いた様子でやって来た。
「どした？体調わるい？」
『あ、えっと…お腹が』
「ん…？あぁ。おけ。ちょっとめいちゃん呼んでくるわ。待ってて」
察したnqrseはぽんと頭を撫でてリビングへ消えた後、呼ばれためいちゃんにすっと抱き上げられリビングへ連行された。
普段なら直ぐに飛び降りるぐらいだが、今日ばかりは抵抗する元気も無く素直にソファに下ろされる。
「お腹あっためな」
『そこまでしてもらわなくても』
「いやいや、廊下で丸まってるのは相当よ」
「呼んでくれりゃ良いのに」
「急に倒れられたらびっくりしたじゃ済まんもんね」
「はい」とあらきに差し出されたのはハーブティーで、サイトに体を温めるのにおすすめだと書いてあったらしい。
もしかしたらこの3人は調べてくれた結果自分より知識を持っているのかもしれない。
「大変だね、女の子って。何で痛くなきゃいけないんだろ」
「男もあるらしいよ、イライラするやつ」
「ま？おれイライラしないよ」
『イライラだけじゃないですよ、すぐ落ち込んじゃったり何もしたくなくなったり色々あります』
「言われてみたらあるのかも？」
「お互い大変だってことだわな」
女には女の、男には男の事情がある。
そういう事は積極的に話してお互いに理解していこうと新たにあなめハウスのルールに追加された。
『でもやっぱりコーヒー飲みたいです。あらきさん』
「だめでーす。今日はやめときな」
『あらきさん』
「誰に教わったのそんなあざとい頼み方。なるせか。なるせの入れ知恵だな」
少し上目気味に見詰めるとあらきは分かりやすく吃ったが、それを誤魔化すように軽く額にデコピンされる。
体の負担になるような事以外なら世話を焼いてくれるらしいので、それに甘えて3人と共に過ごした。
リクエスト【女の子の日に甘える話】
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憐(プロフ) - ち ひ ろさん» コメントありがとうございます！順次更新しますのでお待ちください！ (8月3日 12時) (
レス) id: 1d38a41f1c (このIDを非表示/違反報告)
ち ひ ろ(プロフ) - 以前はリクエストの素敵なお話ありがとうございました！再びリクエストなのですが、暑い日が続いているので4人で海やプールに行くお話が読んでみたいです。 (8月2日 12時) (レス) id: d14445efc4 (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございます。とても助かりました；；今後のお話も楽しみにしております (7月5日 19時) (レス) @page46 id: 4c715eefda (このIDを非表示/違反報告)
RRR(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございました！お体に気をつけて頑張ってください。 (7月2日 11時) (レス) @page44 id: 9a70e09dc0 (このIDを非表示/違反報告)
憐(プロフ) - りくさん» ありがとうございます！順次更新していくのでお待ちください！ (6月27日 21時) (レス) id: 1d38a41f1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：憐
| 作成日時：2022年9月9日 23時
