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ぱち、と目を覚ました頃は深夜だった。
お腹に感じる重みで起き上がれないが、手を伸ばすとふわふわとした髪が触れて、nqrseだと気付く。
あの公園に行って、どうなってもいいかと思ったら寝落ちてしまっていた。
何で自分があの場所に居る事が分かったんだろう。
一度だけnqrseに教えた自分の秘密の場所を、彼は覚えていたという事なのだろうか。
結局迷惑掛けてしまった。
一人で行って、落ち着いたら帰る予定だったのに。
「…ん、おきた、？」
寝起きも相まってなのか、少し無愛想な顔に謝罪を述べる。
nqrseからは視線を逸らして、小さく呟いた。
『私、この家出ます』
「は…？」
なんの感情も出さないように意識して、脳内では増えてしまった荷物を纏めるのは大変だな、と適当に考える。
「それ、おまえが決めたことなの」
『はい』
「この家出てどうすんの」
『違う家に住むだけです』
貴方達との友人関係が終わるわけではありません。
機械的な返答に、少しnqrseの目が開いた。
出会った頃と同じ、自分が生きるのに精一杯で全て受け入れることを拒否して何かを諦めているような表情。
Aが望むことなら、あらきやめいちゃんの反対を抑えて「好きにしろ」と突き放す事も出来る。
けれど、自分はそんなに人の言うことを素直に聞く人間じゃない。
「集合！」
nqrseが叫ぶと勢いよく開かれた扉。
あらきとめいちゃんが現れた。
「いーよ、お前が出てくって決めたことなら」
「でもさ」とnqrseが続ける。
「お前の言葉を聞いてやるんだったら、俺達の言い分もちゃんと聞いてもらわないと不公平だよね？」
「おまえが思ってるより、なるせたちAのこと大好きだけど」
「どうすんの」
逸らされることも無く射抜くような視線にAも目を逸らせなくなった。
そんな瞳から感じる優しさが、じくじくと廃れた心に染み込み胸が痛くなって、ポロポロと涙が溢れてくる。
言葉も出せない程泣いてしまっているAを優しく抱き締めて、頭を撫でてくれるnqrse。
「がんばりすぎ」
「Aー、俺ともぎゅうしよー」
「んじゃ俺ともハグしちゃいますか」
「おいめい、苦しいってなるせも巻き込むな」
「いいじゃん、おまえが思ってるより、めいちゃんたちなるせのこと大好きだけど」
「どうしましょうね〜」
「まじむかつくんですけど！」
何時もの調子の3人に安堵して、くすりと笑みが零れた。
ﾘｸｴｽﾄ【雨が病んでしまっていなくなる話】
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憐(プロフ) - ち ひ ろさん» コメントありがとうございます！順次更新しますのでお待ちください！ (8月3日 12時) (
レス) id: 1d38a41f1c (このIDを非表示/違反報告)
ち ひ ろ(プロフ) - 以前はリクエストの素敵なお話ありがとうございました！再びリクエストなのですが、暑い日が続いているので4人で海やプールに行くお話が読んでみたいです。 (8月2日 12時) (レス) id: d14445efc4 (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございます。とても助かりました；；今後のお話も楽しみにしております (7月5日 19時) (レス) @page46 id: 4c715eefda (このIDを非表示/違反報告)
RRR(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございました！お体に気をつけて頑張ってください。 (7月2日 11時) (レス) @page44 id: 9a70e09dc0 (このIDを非表示/違反報告)
憐(プロフ) - りくさん» ありがとうございます！順次更新していくのでお待ちください！ (6月27日 21時) (レス) id: 1d38a41f1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：憐
| 作成日時：2022年9月9日 23時
