第69話 ページ40
外はバケツをひっくり返したような雨が降っており、その中を傘を忘れ外から走って帰ってきためいちゃんはシャワーを浴びていた。
そういや着替えって持ってきたっけ、と帰宅してそのままお風呂場へ直行してきた事を思い出す。
下着はまぁ、大丈夫として。服が無いなと脱衣所を出るところで一度止まった。
男からすれば上半身ぐらいどうって事ないが、一応こういう所でも気を使って生活するのがルームシェアというもので、寝起きのTシャツに下着の格好とはまた訳が違う。
いや、だらし無さで言えば一緒かもしれないが。
とにかく今はnqrseは低気圧で体調が優れず寝ていて、Aはレコーディングで防音室に篭って、あらきは出掛けているから、今なら大丈夫だと脱衣所の扉を開けると、Aがお手洗いから出てきたところだった。
「びっっっっ…くりさせないでよ…」
音もなく現れたAに、反射でタオルで上半身を隠してしまった。
そんなめいちゃんに顔色ひとつ変えずに首を傾げる。
『風邪引きますよ』
もっと「女の子かよ！」ぐらいのツッコミがあれば、この微妙な空気も吹き飛ぶのに。
思ったよりも全く気にしていないAの横を通り、体を隠していたタオルは首に掛けて髪を拭く。
そういや時々あらきさんもこういっただらしない部分があったな、慣れちゃったのかと変に感心した。
「あれ、ねぇ。俺のTシャツ知らない？」
『今朝あらきさんがこの辺の衣類はまとめて洗濯してましたよ』
「まじかー」
『片付けないのが悪いんです』
キッチンで珈琲を容れ始めたAは、特に咎める様子もなく流れで会話をしている程気が抜けている。
「うわ…めいちゃん半裸とかやめてよ」
「なるせがその反応すんのかよ」
「女の子の前でだらしないよ」
「ウチに居る女の子全く気にしてないけど」
「おまえらがそんなんだから慣れちゃったの。やめてよもう」
そう怒りながら、ソファに座ろうとやってきたAをむぎゅっと抱き締める。
こんな事おまえは出来ないだろ、とめいちゃんにドヤ顔をすると、少し引き攣った表情でタオルを投げられた。
「でもマジでおれたちの所為で色々見慣れちゃったものあるよね？」
『それはお互い様でしょ。特に問題もないです』
「まぁね？でもこの歳の男に抱き着かれたら危機感持った方がいいよ」
『なるせ男の子なんですか？』
「なるせ男の子ですけど」
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憐(プロフ) - ち ひ ろさん» コメントありがとうございます！順次更新しますのでお待ちください！ (8月3日 12時) (
レス) id: 1d38a41f1c (このIDを非表示/違反報告)
ち ひ ろ(プロフ) - 以前はリクエストの素敵なお話ありがとうございました！再びリクエストなのですが、暑い日が続いているので4人で海やプールに行くお話が読んでみたいです。 (8月2日 12時) (レス) id: d14445efc4 (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございます。とても助かりました；；今後のお話も楽しみにしております (7月5日 19時) (レス) @page46 id: 4c715eefda (このIDを非表示/違反報告)
RRR(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございました！お体に気をつけて頑張ってください。 (7月2日 11時) (レス) @page44 id: 9a70e09dc0 (このIDを非表示/違反報告)
憐(プロフ) - りくさん» ありがとうございます！順次更新していくのでお待ちください！ (6月27日 21時) (レス) id: 1d38a41f1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：憐
| 作成日時：2022年9月9日 23時
