第66話 ページ35
Aの一日の終わりである晩御飯の皿洗いを終えてキュ、と水を止めて手を拭いていると、ふとリビングでテレビを観ながらボーっとしている茶髪が目に入る。
開けてからまだ半分程しか減っていない缶チューハイを持ちながら、本当にテレビを観ているのかと疑わしいほど意識の飛んでいっている頭をわしゃわしゃと撫でた。
「うわっ、なに！？」
『流石に気抜きすぎです』
「いや、ちょっと考え事を…」
『こういう時のめいちゃんの考え事はロクなもんじゃないですよね』
「失礼過ぎじゃない？」
そんな会話をしながら傷んだ髪で遊ぶように尚も撫で続ける。
この触り心地が犬みたいで案外好きで、nqrseと遊ぶようにわしゃわしゃと撫で過ぎた結果、めいちゃん本人も慣れてしまったようで嫌がる事は無くなった。
何なら今日は、その考え事とやらで少し気分は下がっていたのか、居心地良さそうにもっと撫でろというように目を瞑っている。
そんな姿を見て随分気を許すようになったなと密かに思った。
『えらい甘えん坊ですが』
「言い方きもい」
『でもそうでしょう』
「良いじゃんたまには。俺ともスキンシップして」
『端からそんなに激しいタイプではないです』
どちらかと言うと何時もはnqrseが構え構えと寄ってくるだけ。
あらきはそれなりに適当ではあるもののnqrseとAの構って攻撃には乗ってくれる。
めいちゃんはというと、こちらが仕掛けても「きもちわるい」「くすぐったい」と逃げる事が多い。
その反応が面白くてnqrseは何時も追い掛け回して喧嘩になる。
『お酒、そんなに無理に飲んじゃダメです』
「飲まないと寝れないから」
『あらきさんにチクリますよ』
「あの人も人の事言えないから大丈夫」
確かにな、とこれ以上反論が出来ない。
ぐいっとお酒を飲む顔を上から覗いて『一緒に寝ましょうか』と揶揄うと、見事噎せた。
「最低マジで！」
『元気出ました？』
「あﾞぁ！！！出たよ！！！」と言うと、零して残りが少なくなったお酒を飲み干し、テレビを消して空き缶とツマミのゴミを処分した。
『一緒に寝る気になったんですか？』
「んな訳ないだろ。普通に寝んの！」
『寝れそうですか？』
「お陰様で」
『話し相手は大事ですからね』
「ほんと生意気〜、めいちゃん最強なのに〜」
『完全無欠ではないでしょ』
「バカじゃないの、」と呆れ気味に言った後「おやすみ」と頭を撫でてくれた。
何でもないやり取りが、彼を元気に出来たならそれで良い。
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憐(プロフ) - ち ひ ろさん» コメントありがとうございます！順次更新しますのでお待ちください！ (8月3日 12時) (
レス) id: 1d38a41f1c (このIDを非表示/違反報告)
ち ひ ろ(プロフ) - 以前はリクエストの素敵なお話ありがとうございました！再びリクエストなのですが、暑い日が続いているので4人で海やプールに行くお話が読んでみたいです。 (8月2日 12時) (レス) id: d14445efc4 (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございます。とても助かりました；；今後のお話も楽しみにしております (7月5日 19時) (レス) @page46 id: 4c715eefda (このIDを非表示/違反報告)
RRR(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございました！お体に気をつけて頑張ってください。 (7月2日 11時) (レス) @page44 id: 9a70e09dc0 (このIDを非表示/違反報告)
憐(プロフ) - りくさん» ありがとうございます！順次更新していくのでお待ちください！ (6月27日 21時) (レス) id: 1d38a41f1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：憐
| 作成日時：2022年9月9日 23時
