第64話* ページ32
雲ひとつない空。少し暑いとも感じるほどぽかぽかした陽気。朝から干した洗濯物は、お昼過ぎの今ではもう既に乾いていて、正しく春といった天気。
各自自室で作業をしている今日のリビングは、とても静かだった。
ミーティングを終え一度休憩をしてから作曲でもしようと部屋から出てきためいちゃんは、リビングに入ってふと猫たちが窓際に集まって寝ていることに気付いた。
あらきが讓渡会で引き取ってきた新入りの猫も加えて全員で6匹。写真でも撮ろうと近付くと、猫たちの中心に大きな影が見える。
「…なにしてんの」
猫に埋もれて同じように眠っているのはA。
頬を突いても起きる気配がない。
暖かいので風邪をひく事はないと思うが、ソファに掛かっていたブランケットを掛けてあげる。
Aのお腹の上で眠っていた新入りの子猫が、ころんと滑り落ちてわさびとラフテーのふわふわな狭間へと吸い込まれた。
思わず笑って新入りを救出すると、眠い中起こされて機嫌が悪いのか、滑り落ちた事に驚いたのか、がぶっとめいちゃんの指を噛む。
小さな乳歯では痛くもない攻撃の仕返しに、鼻をくすぐった。
暫く子猫と遊んでいたが、欠伸をし出したので寝かせるついでに自分もAの隣に静かに横になって溢れんばかりのもふもふを堪能する。
家電たちの静かな稼働音が逆に安心する空間を生み出し、暖かな日差しと春の香りで気付けばゆっくり目を閉じていた。
数時間後、あらきはMix作業を一時中断し、同じく自室に籠って仕事をしているnqrseにお茶にしようと呼び出した。
部屋を出ると、リビングへの扉をカリカリと引っ掻くラフテーがガラス越しに見える。
「らっちゃんどったの？」
あらきが抱き上げるとひと鳴きして窓際をチラリと見た。
その視線に釣られて2人も窓際を見ると、何となく影が見える事に気付きそれを確認しに行く。
「あらー、あらあら」
「なんつーとこで寝てんのこいつら」
Aとめいちゃんがお互い体を少し丸めて向き合った状態で、その間に猫達が集まって眠っている。
起きる気配もなく気持ち良さそうに眠る様子を静かに写真に収めて、あらきはムフフと笑った。
「これ上げたら怒るよなぁ…顔隠せばいっか」
起きない2人にnqrseは呆れつつも微笑ましくサラりと2人の前髪を梳かして寝顔を見る。
後にあらきがSNSへ上げたお昼寝写真は軽く1万件の反応を超え、めいちゃんは寝顔なんか撮るなとぷりぷり怒っていた。
ﾘｸｴｽﾄ【雨とめいちゃんと猫ずのお昼寝】
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憐(プロフ) - ち ひ ろさん» コメントありがとうございます！順次更新しますのでお待ちください！ (8月3日 12時) (
レス) id: 1d38a41f1c (このIDを非表示/違反報告)
ち ひ ろ(プロフ) - 以前はリクエストの素敵なお話ありがとうございました！再びリクエストなのですが、暑い日が続いているので4人で海やプールに行くお話が読んでみたいです。 (8月2日 12時) (レス) id: d14445efc4 (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございます。とても助かりました；；今後のお話も楽しみにしております (7月5日 19時) (レス) @page46 id: 4c715eefda (このIDを非表示/違反報告)
RRR(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございました！お体に気をつけて頑張ってください。 (7月2日 11時) (レス) @page44 id: 9a70e09dc0 (このIDを非表示/違反報告)
憐(プロフ) - りくさん» ありがとうございます！順次更新していくのでお待ちください！ (6月27日 21時) (レス) id: 1d38a41f1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：憐
| 作成日時：2022年9月9日 23時
