第63話 ページ31
ぱちりと目を覚ました時刻は朝の9時を回ったところ。
昨日、約2ヶ月間のツアーを走り抜けて、打ち上げで騒いでいたところまでは覚えているが、その先の記憶が無い。
ファイナル後のフェスにゲストとして出てくれたあらきが介抱してくれたのかな、と眼鏡を付けて身体を伸ばす。
寝癖MAXの頭でリビングへ向かうと、あらきとnqrseの姿は無く、Aだけだった。
ぽけっと突っ立っているめいちゃんを見付け「おはようございます」と微笑んだAに、数秒遅れて「おはよ」と返事をする。
『二日酔い大丈夫ですか？昨日凄かったですけど』
「ぜんぜん」
『はは、燃え尽きたんですかね？ぼーっとし過ぎですよ』
「ん…」
寝癖を直すようにふわふわと頭を撫でられる。
恥ずかしいから辞めてと手を退けるのも忘れて、目を細めて柔く撫でてくれる手を堪能する。
『朝ごはん、ありますけど』
「ほんと？たべる」
『じゃあ先に着替えてきてください』
「んー」
相変わらずふわふわとした返事に耐え切れずAは吹き出すように笑った。
その反応にもワンテンポ遅く「笑わないでよ」と頬を膨らませて、ダイニングテーブルの椅子に掛けて置いたままだった家着であるパーカーを着る。
『まだ洗濯物1回残ってるので洗濯出しといてください』
「いいよ、俺やっとく」
その辺に散らかる自分の脱いだ服をかき集めて、洗濯機に入れられたまま置いてあった物も一緒に洗濯を回した。
そういえば、朝の家事をこんなにゆっくりやるのも2ヶ月間ぶりだな、とふと思う。
同居人達に感謝しながらリビングへ戻ると、軽めに味噌汁と卵焼き、ご飯と納豆が置かれていた。
一緒に住んでると言えど、朝からしっかりご飯をこんな風に用意してくれるのも有難い。
『ん？食べないんですか？』
「ううん。何時もありがとうね」
『へ？なに急に…』
「ほんとは昨日のライブも雨とnqrse、呼びたかったんだけどさ」
「俺が無理矢理出てって言うことじゃない」と自分達が断ったのをあっさり承諾して引き下がってくれためいちゃん。
配信では巫山戯て駄々を捏ねたりもしたが、他人には他人のペースがあるのも理解している。
「あ、でもその代わりAのライブで暴れるからな？」
『服は脱がないでくださいね』
「いやいや、げろさんじゃないんだから」
『最近似てきてますよ、あなたたち』
「それ言うならAとnqrseも似てきてるよ」
『お互い個性的な先輩が居ると大変ですね』
「それ俺にも言ってる？」
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憐(プロフ) - ち ひ ろさん» コメントありがとうございます！順次更新しますのでお待ちください！ (8月3日 12時) (
レス) id: 1d38a41f1c (このIDを非表示/違反報告)
ち ひ ろ(プロフ) - 以前はリクエストの素敵なお話ありがとうございました！再びリクエストなのですが、暑い日が続いているので4人で海やプールに行くお話が読んでみたいです。 (8月2日 12時) (レス) id: d14445efc4 (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございます。とても助かりました；；今後のお話も楽しみにしております (7月5日 19時) (レス) @page46 id: 4c715eefda (このIDを非表示/違反報告)
RRR(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございました！お体に気をつけて頑張ってください。 (7月2日 11時) (レス) @page44 id: 9a70e09dc0 (このIDを非表示/違反報告)
憐(プロフ) - りくさん» ありがとうございます！順次更新していくのでお待ちください！ (6月27日 21時) (レス) id: 1d38a41f1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：憐
| 作成日時：2022年9月9日 23時
