第60話* ページ28
来月に迫ったソロライブのリハ終わりに、バンドメンバーの帰る準備を手伝い、スタッフ達と軽くミーティングをして、疲れてスタジオを出ると見慣れた車が停まっていた。
Aを見るなり運転席から降りてきたあらきは、サッと助手席を開けて「おかえり」と微笑んだ。
『どうしたんですか？お迎えなんて』
「ん？まぁね。たまに良いじゃないの」
『過保護になり過ぎです』
「バレちまったか〜…んでも、わざわざタクシー拾うよりは良いっしょ？」
まだ何かを企んでいるとじとっと見詰めるAの額を軽く小突いて、今日はnqrseもめいちゃんも既に帰ってきていると言う。
家に着いてもあらきは紳士的にエスコートをしてくれて益々怪しいが、この人の場合気分的なものかもしれないので何も言わずに差し出された手を取り帰宅した。
家に帰っても出迎えてくれたnqrseとめいちゃんにあれよあれよと世話を焼かれ、明日は雪でも降るのかとか、自分の機嫌を取らなければいけない理由があるのだとかをぐるぐる考える。
気付けば食事の準備は出来ていると座らされていて、何故かこれが最後の晩餐になるんだとグッと不安な気持ちになった。
が、しかし、そんな勝手な考えも打ち消すのに十分な程の立派なホールケーキが姿を現し、ケーキの真ん中に置かれたチョコレートの「誕生日おめでとう」という文字を見て思い出す。
『…そういえば今日誕生日だった』
「「「えっ？」」」
『あ…いや。てっきりその、捨てられるのかと…』
自分で言っててそんな訳無いだろと段々恥ずかしくなってきた所にあらきが「ハッハー！」と高笑いし始めた。
「捨てるってなに。写真撮って早く食べよ」
「Aの事捨てるわけないじゃんねぇ？てか捨てるって」
「マジおもろすぎ。ほら、切っちゃるから食べなさいよ」
あまりにも弄られてしまうのでムッとすると、nqrseに頭を撫でられながら「プレゼントあるから機嫌直して？」と小首を傾げて言われ、そんなあざとい言い方するなと更に頬を膨らました。
食事後、3人からと渡された小さな箱にはネックレスが入っていて、これは4人のお揃いらしい。
「おれアレルギーだからわざわざ金属じゃないのに変えたの。ちゃんと毎日しててね？」
『勿論です…！ありがとうございますっ』
「喜んでもらえたならよかった。ちっと俺にも付けてよAさん」
「俺似合う？かわいい？なるせ見て」
「カワイイカワイイ。カワイイよ」
「また適当言ってる！」
ﾘｸｴｽﾄ【雨の誕生日】
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憐(プロフ) - ち ひ ろさん» コメントありがとうございます！順次更新しますのでお待ちください！ (8月3日 12時) (
レス) id: 1d38a41f1c (このIDを非表示/違反報告)
ち ひ ろ(プロフ) - 以前はリクエストの素敵なお話ありがとうございました！再びリクエストなのですが、暑い日が続いているので4人で海やプールに行くお話が読んでみたいです。 (8月2日 12時) (レス) id: d14445efc4 (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございます。とても助かりました；；今後のお話も楽しみにしております (7月5日 19時) (レス) @page46 id: 4c715eefda (このIDを非表示/違反報告)
RRR(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございました！お体に気をつけて頑張ってください。 (7月2日 11時) (レス) @page44 id: 9a70e09dc0 (このIDを非表示/違反報告)
憐(プロフ) - りくさん» ありがとうございます！順次更新していくのでお待ちください！ (6月27日 21時) (レス) id: 1d38a41f1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：憐
| 作成日時：2022年9月9日 23時
