第55話 ページ23
「まじで疲れた」と、重い荷物を担いで荷物以上に疲労で重くなった自分の体を引き摺るようにして歩くのはnqrse。
次いでその後ろには同じように大きな荷物を抱えためいちゃんとあらき。
XYZのツアーで地方に行っていた彼等は、日付けが変わった深夜にやっと打ち上げから解放されて、タクシーで帰宅した所だった。
「流石にもうA寝てるよなぁ…お疲れ様〜ってして欲しかったのに」
「なーにを甘いこと抜かしてんすかなるせは。さっさと風呂入ってこいって言われんのがオチよ」
「でもさ、日付け的にちょっと期待もしちゃうよねぇ」
「何を？」と揃って首を傾げるあらなるに、めいちゃんは携帯の日付けを見せる。
1月14日の午前0時半。
「あー…プレゼントとかならちょっと期待しちゃうかも」
「でしょ？」
この日の前日、1月13日はnqrseとめいちゃんの誕生日。ライブではお客さんとメンバーにお祝いしてもらったが、ウチにもお祝いしたいと意気込んでいた子がいた訳で、当日は難しいからと遠征前に告げるとしょんぼりしていたのを思い出す。
そんな可愛らしい姿を思い出して早く会いたいとドアの鍵を回したが、部屋は静かで暗く、やはり寝てしまったかと肩を落としながらリビングへ入ると、足元に風船が転がっているのを発見した。
「…風船？あっ…」
電気を付けるとテーブルにはラップされた料理たちと、我慢出来ずに開けられたシャンパン。
軽く飾り付けもされて、何故か一つだけ鳴らされた後のクラッカーが置いてあった。
そしてソファを見ると、アルコールに負けて寝落ちたAが居た。
「A、風邪引くよ。起きな」
『…？めーちゃ、』
まだ半分寝ている癖にグッと腕を広げてくるAはしっかり酔っているなとnqrseを引っ張ってハグしてあげてと場所を交代した。
しかしそれが不服だったのか、未だ真っ赤な顔で難しい顔をしながら「なるせじゃない」とめいちゃんへ手を伸ばす。
『おたんじょうびおめでとぉ』
「酔い過ぎだって…嬉しいけどさ」
「ねぇー、何でめいちゃんだけなの？なるせも誕生日なんだけど」
『じゅんばんこですよ、なるせは待てです』
「犬じゃねぇし」
そう言いながら割り込むようにハグをして、3人仲良くぎゅむぎゅむとソファの上でくっ付き合っているのを、あらきはいつもの光景だと言うように冷蔵庫からビールを出して「飲み直します？」と何処か楽しそうにAが用意した料理を温め直した。
2023.1.13
HappyBirthday nqrse＆meychan
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憐(プロフ) - ち ひ ろさん» コメントありがとうございます！順次更新しますのでお待ちください！ (8月3日 12時) (
レス) id: 1d38a41f1c (このIDを非表示/違反報告)
ち ひ ろ(プロフ) - 以前はリクエストの素敵なお話ありがとうございました！再びリクエストなのですが、暑い日が続いているので4人で海やプールに行くお話が読んでみたいです。 (8月2日 12時) (レス) id: d14445efc4 (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございます。とても助かりました；；今後のお話も楽しみにしております (7月5日 19時) (レス) @page46 id: 4c715eefda (このIDを非表示/違反報告)
RRR(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございました！お体に気をつけて頑張ってください。 (7月2日 11時) (レス) @page44 id: 9a70e09dc0 (このIDを非表示/違反報告)
憐(プロフ) - りくさん» ありがとうございます！順次更新していくのでお待ちください！ (6月27日 21時) (レス) id: 1d38a41f1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：憐
| 作成日時：2022年9月9日 23時
