元・白銀の聖騎士 (ページ8)

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見慣れないアイツページ8

ベルガモside

明日のイナズマジャパンとの手合わせのためにその周囲を下見している

「流石日本一の山だね～風情がある～」

「あぁ、美しいな」

俺の前を歩いていた二人が富士山を見上げ、感想を述べていく

日本一なんて呼ばれてはいるが俺にはその良さみたいなものはちっとも分からない

「そういうもんか？」

「ベルは芸術とかに疎いもんね～」

俺が疑問の声を上げれば前を向いていたAが背中の後ろで手を組み、こちらを振り返りつつおどけたような態度で応えた

「うるさい」

その態度に少しイラッとしてアイツの頭をベシッと叩いた
力は抜いたつもりだがAにとってはかなり痛かったらしく俺が叩いた部分を抑え、蹲った

「いたぁい、ベル暴力反対！」

「不可抗力だ」

「意味わかんない」

頭を抑えつつ、ブーブーと文句を言うもんだから極めつけとばかりに次は思いっきりデコピンしてやった

案の定頭の次は額を抑えた

「うぅ……クラリオ～」

「本当に仲が良いな、お前達は」

「ただの暴力だよ～」

「あいつなりの愛情表現だ」

何言ってんだクラリオ！と飛び出しかけた言葉を飲み込み、聞こえないふりを決め込んだ

他愛もない会話を続けていると目に飛び込んできたのは限りないほど広い湖

「わぁ～大きい！」

Aは感嘆の声を上げた途端に湖に向かって走り出した

ケガの影響でそこまでスピードは出ていないがアイツは新しい遊び道具を見つけた子供のようにはしゃいでいた

Aは浜辺についた辺りでスニーカーと靴下を脱ぎ捨て、湖に足を踏み入れた

「はぁ、子供かアイツは」

「仕方が無いな」

俺とクラリオはAの足跡を追うようにして浜辺へ歩いていく

俺たちが近づいてきた事に気付くと、Aは両腕を広げこちらを振り返る

「キレイだねぇ」

夕陽を背にし、儚げにこちらに向かって微笑むアイツはスペインの美術館か何かで見かけた天使のようで、不覚にもその姿に魅入っていた

そんなアイツの姿はいつもの子供みたいな、おどけたような普段の姿からは想像出来なくて見慣れない

「……？ベル？」

間近でAの声が聞こえたと思って、ハッと我に返るとAの顔が想像以上に近くて内心ドキッとする

「なんでもねぇよ」

俺は、そう答えるしか出来なかった

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ベルガモくんは普段はクールな感じだけど好きな子とかの前だと表面はクールなのに内心ではめっちゃドキドキしてそうだなぁというかそうだと美味しくね？という私の勝手な想像です………