元・白銀の聖騎士 (ページ7)

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河口湖とトランプページ7

Aside

次の日

明日は日本代表のキャンプ地へ赴き、クラリオが彼らと手合わせをする

今はキャンプ地近くの下見

“河口湖スポーツセンター”

富士山が美しく見える位置に建てられた施設

「流石日本一の山だね～風情がある～」

「あぁ、美しいな」

「そういうもんか？」

「ベルは芸術とかに疎いもんね～」

「うるさい」

ベシッと頭を叩かれる
力を抜いたはずだけど思ったよりも痛くて叩かれたところを抑えて蹲る

「いたぁい、ベル暴力反対！」

「不可抗力だ」

「意味わかんない」

理不尽だーとボクがブーブー言うと、次は思いっきりデコピンされる
頭の次は額がヒリヒリする

「うぅ……クラリオ～」

「本当に仲が良いな、お前達は」

「ただの暴力だよ～」

「あいつなりの愛情表現だ」

そんな他愛もない会話をしていると、キャンプ地の近くまでやって来ておりボクの視界を支配するのは海のように広い河口湖

「わぁ～大きい！」

「あ、おい！」

ベルの制止の声も聞かず、河口湖に向かって一直線に走り出す

浜辺に着いた辺りでスニーカーと靴下を脱ぎ捨て、河口湖に足を浸す

足元がひんやりとして気持ちがいい

足を水を蹴り上げるように動かす
蹴り上げられた水は夕陽の光を浴びてキラキラと宝石のように輝く

「キレイだねぇ」

両腕を広げ、歩いて浜辺まで来ていたベルとクラリオを振り返る

「そうだな」

「……………」

クラリオは無残に投げ捨てらたボクのスニーカーと靴下を拾いつつ言い、ベルはボケーとした顔で何も答えない

「……？ベル？」

どうかした？とボクが聞くとベルはハッとした様子でなんでもねぇよと答えた

～その夜～

下見から戻り、夕食を済ませた後クラリオはもう一度近くを見て回ってくると言うのでボクとベルはトランプに興じていた

「はーい！上がり～ボクの36勝目～！」

「なっ！もう一度だ！」

「もう諦めなって～ボク、トランプで負けたことないよ～」

意外と諦めの悪いベルの要望で37試合目が始まろうとした時＿＿＿

バンッ

「「(ビクッ」」

音が響くほど思いっきり部屋のドアが開き、ボクとベルは二人揃ってビクッとなった

ドアの方を見ると、外に行っていたクラリオがいた

なんとなくだけど普段のクラリオとは少し様子が違っている気がした

普段のキリッとした感じとは違い、普段のクラリオからは想像が出来ない少しテンションが上がったような感じだ

「どうかしたのか？クラリオ」

ベルが問うとクラリオはハッキリと答えた

僕はその返事に柄にもなく絶叫した