元・白銀の聖騎士 (ページ11)

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氷の微笑ページ11

Aside

クラリオは詩でも読むかのような声色で前々から思っていたことを彼らに伝える

サッカーとしてはレベルが低かったがな＿＿と嫌味ったらしい言葉も付け加えて

「嘲笑いに来たのか」

水色の長い前髪で片目が隠れ、後ろ髪をポニーテールにした少女のような見た目の、風丸一郎太が反抗するような声を上げる

「今の日本は以前とは全く違うようだ、本物の戦士の目になっている。良い兆候だ」

「高みの見物と言うわけか」

鬼道有人の問いかけにクラリオは正直そのつもりだったと答えた

「しかし私は昨日、日本のある選手の練習を見てしまったのだ。その者のプレーは私を驚愕させた」

クラリオが何かを言っているようだったが、ボクは途中からその声が聞こえていなかった

ある選手と目が合っていた

氷のような美しい水色の髪とキリッとした紫色の瞳
どこか女性のような柔らかい雰囲気をまとった、所謂美少年というやつだ

確か名前は……

「そうか、気づいていないのか」

不意にクラリオの声と腕を引っ張られる感覚にハッとする

ボクの腕を引っ張ったのは＿＿＿

「ベル……？」

「行くぞ」

そのままベルはボクの腕を掴んだままクラリオの後ろを着いて行った

どこかベルが怒っているような気がしたけれど何故か聞くのは躊躇われた

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氷浦side

昨夜から明日人たちと話していた世界のプレイヤー

それもスペインという強豪国からやって来たプレイヤー

たった一人のその実力に、俺達は圧倒された

これが世界との差なのだと思い知らされたような気がした

そして、俺はふと目が合った少女に目を奪われた

微かな日光でも輝いているのかと錯覚するような銀色の髪
青色の右目は少し眠たげな目付きをしているが、そこにはハッキリとした光が宿っている
左目を覆う眼帯は何故か彼女が付けると無骨さを感じない

人形のように整った顔立ちは間違いなく美少女に分類される類のものだ

一瞬だけ、彼女と目が合ったような気がした

その後すぐに彼女は行ってしまったけれど、胸に残った不思議な感覚はすぐには消えてくれなかった

圧倒的な実力差に打ちひしがれていたみんなに円堂さんは明るい一言でみんなの雰囲気を取り戻す

俺達は、必ずこのチームで世界へ行ってみせる

世界一の景色を見るため、そして＿＿＿＿＿

＿＿＿＿＿彼女ともう一度会うために＿＿