雪男に存在した女の子 (ページ3)

今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:3,198 hit

_2 ページ3

渡辺 side

一生懸命デビューするために、
毎日毎日練習して。

ジャニーズJr.とは文字で表せばそうなるけど実際Jr.なんて年齢じゃないのは自分が一番の理解者。

それは俺だけじゃなくて、最年少のラウール以外は成人。そしてJr.歴もそこそこ。

自分で言うのもアレだけど、頑張って毎日努力して、
無駄かもしれない事にさえも期待を抱いて。

なのになんで、女？
なんで、いきなりの新人と同じグループにならなきゃいけないわけ？

意味がわからなくて、俺は、

『女？意味わかんねぇ、』

誰が聞いてもわかりやすいように突き放そうとした。

けど、何故だろう。
彼女が走り去った後の今、ほんの少し焦りと苛立ちが。

苛立ちはきっと、あいつが来たのと自分への怒り。
じゃあ、焦りは？

… この年齢でデビューが出来ていない事への焦りに、しておく。

康二、目黒、ラウールの時だってすんなり受け入れる事が出来なかった俺ら。

なのに、急に来た新しい人。ましてや、女を受け入れろなんて無理に決まってる。

そんな俺が感じた焦りは

最年少のせいだ絶対。

よろしくね、なんて声を掛けるから
あいつより歳上の俺が何やってんだって思っちゃうから。

未来なんて誰にもわかりやしないけど、彼女の未来はなんだか見えた気がした。